![1_41 1_41](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/76/45a2adb13cae85714c6f1bc5f929b6ea.jpg)
All photos by Chishima,J.
(マガモのメス(手前)とカルガモ 2006年9月 北海道帯広市)
つい先程まで餌を与えていた人が帰って、大賑わいだった100羽以上のマガモやカルガモの大部分は、水面や湖岸で休息の体勢に入り、市街地にあるこの公園の池は静けさを取り戻し始めていた。私は池のほとりにしゃがんで、徒然なるままにカモたちの就寝を眺めていた。この池ではカモは安全なことを知っているのか、追いかけでもしない限り人のすぐ脇でも普通に休息や採餌を行なっている。
ふと傍らを、陸の方から2匹のトンボが連結した状態で飛び去るのを認めた。産卵期のトンボは、交尾や産卵のため、このように雌雄が連結して飛んでいるものが多い。青灰色の体とあのサイズは、シオカラトンボだろうか。何となく目が追う。トンボは池の端まで飛ぶと、水面に用事があるのか地表近くまで高度を下げた。同時に速力もいくらか落としたかもしれない。
連結したイトトンボ科(ルリイトトンボ?)
2006年8月 北海道帯広市
![2_43 2_43](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/92/63e8c5060340c6738a9904c41ac65b3b.jpg)
シオカラトンボ(オス)
2006年9月 北海道帯広市
![3_43 3_43](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/ca/c4739d750f86b1fd868c8dddc91afc3b.jpg)
その時である。すぐ横で熟睡していたかに見えた1羽のマガモの雌が、首を捕虫網のように一振りすると、2匹のトンボを捕え、即座に飲み込んだ。そして、何度か頭部を動かして完全に飲み込む仕草を見せると、まるで何事も無かったかのように瞬膜を閉じ、再び眠り始めた。この間わずか数秒。呆気に取られていたのと見とれていたのとで、もちろん写真は撮れなかった。
帰宅して調べてみると、マガモは植物質中心の食性だが、季節や地域によっては動物質の餌も割と食べているらしい。ただし、それらは水生昆虫やサワガニ、ザリガニ等といった水生無脊椎動物である。トンボの幼虫(ヤゴ)を食べるのが観察されたことがあるとの記載は見つけることができたが、飛んでいる成虫のトンボを、それも2匹同時に捕えて食べたというような記録は、今のところ見つけられていない。どうやら、まったくの偶然に珍しい場面に遭遇したらしい。
マガモ(オス)
2006年9月 北海道帯広市
エクリプスまたは幼鳥
![4_41 4_41](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/9c/5d935404e5fe44e58067f24c5dee8cd4.jpg)
アキアカネ
2006年9月 北海道帯広市
![5_42 5_42](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/de/78099b9e078ce59c043a5baf0cb4aa70.jpg)
もっとも、マガモは基本的にオポチュニスティック(日和見的)な食性の持ち主で、目の前にある食べられるものは何でも食べるので、トンボが食べられたこと自体はさして驚くには値しないのかもしれない。ただ、捕える際の動作の素早さは目を見張るものであり、彼らが都市公園で人間に餌付きながら惰眠を貪っているように見えても、実はしっかり「野鳥」であることを、改めて教えられた気がした。
「鴨の雛」その後
2006年9月 北海道帯広市
個体識別しているわけではないので、「鴨の雛」で紹介したのと同一個体であるかはわからない。
マガモ
一見成鳥ぽくなってきたようだが…
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翼を開くと風切はまだまだ生え始め
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カルガモ
だいぶカルガモらしくなってきた雛もいれば
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まだ幼い雛もいる
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(2006年9月4日 千嶋 淳)
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