鳥キチ日記

北海道・十勝で海鳥・海獣を中心に野生生物の調査や執筆、撮影、ガイド等を行っています。

130325 十勝沖海鳥・海獣調査

2013-04-02 22:53:45 | 海鳥
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All Photos by Chishima,J.
アビ冬羽の飛翔 以下すべて 2013年3月 北海道十勝沖)


 3月2回目の調査は20日の予定でしたが時化が続き、道東では魚価の高騰も報道される中、ようやく船を出していただけました。それでも沖へ出ると風浪が強まって波飛沫を被りながらの観察となり、水深130m前後で引き返しです。
 そのような状況でしたので、海況も良く、多くの冬のウミスズメ類と出会えた先の2回と比べると鳥も少なめでしたが、沿岸部で300羽以上のコウミスズメを見ることができたのは収穫で、中には胸の鱗模様や顔の飾り羽等夏羽の片鱗を見せる個体もいました。半月前の調査で多くが確認されたエトロフウミスズメやウミガラス類は1~数羽が観察されたのみで、短期間にも海鳥の分布が大きく変化していることを実感できた調査でもありました。
コウミスズメ
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 スズガモや淡水ガモ類、ガン類等、渡り途中の鳥が多く記録されたのも季節の移ろいを感じさせてくれました。海上を飛ぶハクセキレイも観察され、その時に調査員間で交わされた「なんかさぁ、ハクセキレイが飛んでない?」、「そうだよね、波打って(飛んで)るもんね。」なんて会話もこの時期ならではのものでしょうか。
 トップの写真はやや不鮮明ながらアビです。海岸からの観察では十勝のアビ類は本種ばかりだと思っていましたが、いるのは岸近くのみで、とても沿岸性の強いことが分かって来ました。


海上高くを飛ぶスズガモの小群
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確認種:ヒシクイ マガン ヒドリガモ オナガガモ スズガモ シノリガモ ビロードキンクロ クロガモ ホオジロガモ カワアイサ ウミアイサ ミミカイツブリ アビ ハシジロアビ ヒメウ カワウ ウミウ ウミネコ カモメ シロカモメ オオセグロカモメ ハシブトウミガラス ウミガラス ケイマフリ ウミスズメ ウミオウム コウミスズメ エトロフウミスズメ トビ オジロワシ ハシボソガラス ハシブトガラス ヒバリ ハクセキレイ

*十勝沖調査は、漂着アザラシの会が日本財団、NPO法人日本野鳥の会十勝支部がセブンイレブン記念財団より助成を受けて、上記2団体と浦幌野鳥倶楽部の連携のもと浦幌町厚内沖で行っているものです。


(2013年3月26日   千嶋 淳)


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