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古い曲が気になる

「サンライズ、サンセット」は、「屋根の上のバイオリン弾き」の挿入歌

2009-11-11 | 日記・エッセイ・コラム

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帯広三条高校の、物理の試験のときだった。理数系が得意だったのだが、高校にはいって山登りにほうけて、三年になると、もう数Ⅲと物理は、授業についていくのもおぼつかなくなっていた。試験の問いに答える以前に、質問の語句の意味すらほとんどわからない。早々とギブアップして、机のなかから英語の歌詞のメモをだした。日本語に訳そうとレコード・ジャケットから書き写してあったのだ。

そうして、訳した詩句を夢中になって手直していると、どこにいるのかも忘れてしまった。すると、背後に人の気配を感じた。振り向くと、物理の野際昭先生が立っていた。そして、「いい詩だな」と、いった。わたしは、「はッ」とか「へッ」とか、うろたえて、まともに返事ができなかった。

そのとき、うまく訳そうと苦戦していたのが、「サンライズ、サンセット Sunrise,Sunset」だった。ミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」のなかで歌われる曲だ。作詞、シェルダン・ハーリック。作曲、ジェリー・ボック。

    サンライズ、サンセット Sunrise,Sunset http://www.youtube.com/watch?v=nLLEBAQLZ3Q

昨日、森繁久弥さんが亡くなったので、この「屋根の上のバイオリン弾き」がテレビの話題にのぼっていた。森繁さんは、1967年から1986年まで700回主演した。オリジナルは、ブロードウエイの大ロングラン・ミュージカルだ。1971年に封切りになった映画もヒットした。日本だけでなく、世界中のユダヤ人のなかで、いまも盛んに上演されているミュージカルの傑作だ。

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ブロードウエイの初演は、1964年9月22日。1972年7月2日まで、7年9ヶ月、3242回のロングランをつづけた大ヒット作だ。この振り付けと演出が、きのう書いた「ウエストサイド物語」の振り付け師、ジェローム・ロビンズなのだ。

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振り付け師、ジェローム・ロビンズ。

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「屋根の上のバイオリン弾き」制作チーム。左から、作詞・シェルダン・ハーリック、脚本・ジョゼフ・スタイン、ピアノを弾いているのが、作曲・ジェリー・ボック。そして、振り付け・演出のジェローム・ロビンズ。

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原作者、イディッシュ文学の文豪、ショーレム・アレイハム(1859年~1916年)。

ロシア(ウクライナ)からアメリカに移民したユダヤ人作家、ショーレム・アレイハムの小説「牛乳屋テヴィエ」(1894年)が、ミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」の原作だ。

ショーレム・アレイハムは、ユダヤ人のイディッシュ語の劇作家、小説家だ。ロシアのユダヤ人迫害を嫌って、1914年、一家でアメリカに渡った。1916年にニューヨークで病死するが、葬儀に10万人をこえる会葬者が集まった。翌日のニューヨーク・タイムス紙は、その人数をアメリカ合衆国の記録と書いた。それほど、ユダヤ人に愛され、尊敬されていた。

屋根の上のバイオリン弾き (ハヤカワ文庫 NV 44)

「屋根の上のバイオリン弾き」は、ロシアの貧しいユダヤ人家族の話だ。

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1971年封切りの映画「屋根の上のバイオリン弾き」で、バイオリンを弾いているのは、名手アイザック・スターンだ。

      映画「屋根の上のバイオリン弾き」オープニング・テーマ http://www.youtube.com/watch?v=zso2jYE-ctU&feature=related

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アイザック・スターンは、ウクライナ生まれのユダヤ人で、日本でも人気があった。何度も来日している。宮崎県立芸術劇場のコンサートホールは、アイザックスターン・ホールという。日本から勲三等旭日中綬章を授与されている。ニューヨーク、カーネギー・ホールのなかにもアイザック・スターンの名を記念したホールがある。

     宮崎県立芸術劇場アイザックスターン・ホールhttp://www.miyazaki-ac.jp/sisetsu/hall1.htm 


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