局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

帰り道に

2009-09-07 11:26:08 | 
縄文杉は何も言わず、ただそこに佇んでいた。

樹齢については諸説あるらしいが 2700年くらいから 7000年説を唱える学者もあるらしい。
杉の子供としてこの木が芽を出した頃、まだ日本は日本として存在していなかったはず・・・ 気の遠くなるような時を過ごしてきた巨木の前に立てたのはやはり感激であった。

また、登山初心者のワタシでもここまで来られたという満足感と自信にも浸ることができた。

しかし それって束の間だったのよね~ 

登山口からここまでの行程11km かかった時間ほぼ5時間。また同じ道をたどって引き返すんですよ。

この時点でかなり足は疲れていた。

そして山を下るっていうのは登るよりエネルギーは使わないのかもしれないが、集中力はより使うんですね。這い上がったような道を降りるって一歩踏み外したらどこまで転がり落ちるかわからないんだもの。

トロッコ道に戻るまでは緊張の連続であった。

そして帰りのトロッコ道に入ったら クールガイド氏より注意があった。

「これからはこの道に従って降りるだけですけど、みなさん多分かなり疲れているはずです。帰り道で枕木で足を滑らせてネンザしたり転んで骨折することが多いので気をつけてくださいね」

ふ~~ん なるほどね。と思いながらまた粛々と歩く。

登りの時にも感じたのだけど、この登山道にはゴミ一つ落ちていないのである。そして何一つ余分な人工的な音がしないのである。
中途半端な観光地化した山道に落ちている紙やビニールのゴミ、転がっているペットボトルや缶のうんざりすること。そして気を利かせたつもりかスピーカーから流れる音楽ってホントに嫌い。
ここでは沢を流れる水音、鳥の声、風の音、そして自分の足音しかしない。
時折上を雲が通り過ぎる時には 大きな如雨露から水をまかれるように短期間雨に降られる。しかし、木が茂っているせいかあまり雨があたることはなかった。
(この日は比較的天気に恵まれていたようだ。この島は一月に35日雨が降るとも言われるくらいだから)

その静寂の中を足元に集中して歩いている時、目の端にヒラヒラと舞うものを何度か目撃した。ムスメが追いついてきて何か振っているのか? 蝶か何かかしら?と目をやると何もない。そのヒラヒラは時折私の右で舞ったり左で舞ったりを何度か繰り返した。なんとなくワタシの様子を見ながら楽しんでいるような親しみを感じた。あれが木霊だったのかしら?

そんなことを考えながらも足元に集中して歩いていたら、後ろでずさっと何かスベって転がる音がしたと思うと私の左から何か大きなものが転がってきてその一部が私の足をかすめた。
落石か? 獅子神さまか?とびっくりしてそれを見ると足元に転がっているのはオットであった。左が土の山肌になっていたのだけど、そこに頭をぶつけてさらに身体を横に回転させて転んだようだった(あとで聞いたらワタシを巻き添えにしまいと身体をひねってよけようとしたら受身をしそこねて頭から山肌に突っ込んだそうである)

後ろからムスメが 「パパ大丈夫?」と言っている。
オットはすぐに起き上がったが帽子に土がついてなかなか悲惨であった。

クールガイド氏 さすがに足は止めたが 「大丈夫ですか?」とも言わず
「じゃ ここらで休みましょう 沢におりましょう。あっ降りられない人はこの場で休んでいていいですよ」 と あくまでクール。

トロッコ道から川の方に降りて(オットも意地で着いてきた)川原の石に腰をおろしてちょっと長めの休憩(といっても10分弱)をとった。

 

この深い緑が水をたたえ 水が緑を支えている。

川のほとりで放心したようなオットの顔は ボサツの境地に達していた(笑)
その写真は帰ってきて家で見返すたびに笑えるがさすがにここにはアップできないのが残念であります。

その後の1時間半は単調なくだり道をただひたすら歩く、歩く(往路よりも早足で)のでなかなか辛かった。
途中で一緒になったグループのガイドが 「みなさんかなり疲れているからこういう時こそ気をつけてくださいね。ここでコケたらかっこ悪いですからね」と注意しているのを聞いて 「どーせ、かっこ悪いよ」とオットがつぶやいたのを聞いて笑いをかみころす。
そして どうにか無事にバスまで帰りつくことができた。

一旦バスの座席に腰をおろすと一日の疲れが改めて感じられた。



ホテルについて温泉で汗を流して身体を休めて食事を

  



ここの食事は色々な国の料理をアレンジして会席コースとして出されたものだったがどれもおいしかった。
今日の成果を生ビールで乾杯してから地元の焼酎 三岳に切り替えておいしく食べて飲んだ。
同じグループだった他の二組もいて、お疲れ様でしたと健闘をたたえあった。
九州オナゴの一人がその日25歳の誕生日で、叔母さんがサプライズでホールケーキを予約していたらしくて、みんなで ハッピーバースデイを歌い 私達もおすそわけにあずかった。

部屋に帰ったら 震度4の地震があったが、もう揺れるんだったら揺れろの心境で爆睡・・・



コメント (14)
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