tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2020年12月の日銀短観、回復基調ではあるが

2020年12月15日 00時04分26秒 | 経営
2020年12月の日銀短観、回復基調ではあるが
 今日、標記の「日本銀行短期経済観測」が発表されました

 日本経済も企業活動も家庭の消費行動も、緊急事態宣言で極端なまでに縮小した今年の4,5月の、いわばドン底状態から、コロナ禍の中でも、何とかビジネスを続けようという模索、試行錯誤の中で、業態転換や働き方(リモート方式)の工夫なども含めて次第に回復基調を掴めたかなという状態に入ったようです。

 しかし、些か問題があって、政府のGoToキャンペーンなどで、経済の一部分に重点が傾きすぎ、その結果、コロナの第3波が予想外の厳しさになって、年末年始にかけて、また経済活動を制限しなければならない状況になってしまっています。

 この所の推移を見ますと、企業の景況判断のうち、「良い」と答えた割合から「悪い」と答えた割合を引いた「%差」で企業の感覚とその動きが示されています。
 
 先ずは大企業「製造業」から見ていきますと、今年6月の調査が最大の落ち込みでマイナス35%、次の9月がマイナス27%、そして今回12月がマイナス10%(17ポイント改善)という結果です。
 一応順調に最悪から抜け出すという数字になっていますが、先行き(ほぼ3か月先)の回答はマイナス8%という予想で、あまり改善を期待していない企業が多いようです。

 業種別に見ますと改善していないのは造船重機のみで、改善幅の大きいのは自動車、木材・木製品、鉄鋼、非鉄、生産用機械などで、中国経済回復の影響が大きいようです。

 大企業「非製造業」で見ますと、宿泊・飲食サービスの9月マイナス87%、12月マイナス66%という大幅な落ち込みは別として非製造業全体では9月マイナス12%、12月マイナス5%で製造業に比べれば落ち込みは小さいようです。

 建設、小売り、通信、情報サービスなどは、リモートばやり、巣ごもり需要などでプラス10~30%という活況です 

 注目を集める宿泊・飲食サービスについては、GoToキャンペーンのせいもあってでしょうか、絶対水準は、まだマイナス66%と低いとはいえ21%の回復で、先行きはマイナス62%とゆっくりの回復を見込んでいますが、今日発表の年末年始のGoTo中止の政府決定は入っていないでしょうから、もう少し悪いかもしれません。

 中堅企業、中小企業はどうかと見てみますと、中堅企業製造業は9月のマイナス34%から12月はマイナス17%への回復、中小企業製造業は9月のマイナス44%から12月のマイナス27%に回復という事で、規模が小さいほど落ち込みは大きかったのですが、大企業の回復につれて順調な回復基調で、自動車、鉄鋼、非鉄、機械、電機などが順調です。

 中堅、中小の非製造業では、卸売り、運輸・郵便、対事業所サービス、対個人サービスなど、今後の悪化を予想するところがあり、競争激化予測でしょうか、落ち込みは少なかったが回復がなかなか見通せない所があるようです。
 注目の宿泊・飲食サービスについては、12月にはマイナス50%程度に回復するのですが、先行き悪化を見通している企業が多いようで、コロナ禍に対したは、かなり慎重に長引くことを予想しているようにも感じられます。

マスコミではGoTo関連が賑やかな話題ですが、日本経済としては、中国経済の回復と製造業基幹産業の関係などの行方、アメリカの政権交代、ヨーロッパのコロナ問題などプラス、マイナスの影響が交錯している中で、中国経済の回復が明るい材料なことは明らかでしょう。

 総じてアジアの回復が早いのではないかと思われますが、結局コロナを早く制圧したところが経済の回復を実現しているという事が見えて来ているのではないでしょうか。
 ところで、日本の政権は何をしようとしているのでしょうか。

日本の国債が紙屑になる条件(4)経済の部

2020年12月13日 21時21分18秒 | 経済

 コロナの状況を見ますと、政府が「まだ医療崩壊には間がある」と言っているうちに、すでに医療崩壊が始まってしまいました。設備と人の両面です。
 建設は時間を要しますが、崩壊は急速に進みます。
 「国債紙屑」論にもそんな所があるかもしれないので、十分注意が必要です。

 経済面で注意すべきは先ず、インフレと国際収支でしょう。この場合のインフレは消費者物価のみならず株価や地価も見なければいけません。

 今、物価は安定といわれています。そしてこんなに金融の量的緩和をやってもインフレにならないというので、MMTなどという理論が出てきたのです。

 しかし本当に金融緩和の影響がないのでしょうか。
 確かに消費者物価には表れていません。しかし株価にははっきり表れています。また先日は菅総理が政府の経済政策が成功したかのように「地価が上がった」と喜んで発言していましたが、また土地バブルをやりたいのでしょうか。

 異次元金融緩和でじゃぶじゃぶのカネはマネーマーケットに回って株価を押し上げ、喉元過ぎたのか禁断の土地バブルに向かい始めているのでしょう。
 一方、実体経済は成長せず、給料は上がらず、一般国民は老後に備えて貯蓄に励み、消費性向は下がるばかり、これが消費者物価の上がらない原因です。

 起きていることは金融緩和のカネは金持ちの所に回り株価を押し上げ加えて地価上昇となれば「キャピタルゲイン」は増えるでしょうが、実体経済の不振で「インカムゲイン」は停滞、日常生活の物価は上がらないという「実体経済不振」「マネー経済繁盛」という図式です。
 その結果は明らかで、日本もいよいよ格差社会に突入してきているのです。

 「政府は貯蓄から投資へ」といって、NISAで積み立て、iDeCoで「キャピタルゲイン」を稼いで老後に備えて下さいと本気で言っています。
 国民は自助努力で「投資(投機?)」で稼ぐのがいいと教え、国民がそれに従えば、政府は楽です。現実は、政府も年金資金を株に投資して失敗することが結構多いですね。

 そんなことをしていたら、実体経済はどうなるのでしょうか。これからも0.5%成長の日本経済を続けていくつもりなのでしょうか。カジノも呼んできて、投機とギャンブルの国にしていくつもりなのでしょうか。

 現に日本の生産力は随分落ちてきているようです。直接目には入らなくても。大切な不織布マスクから多種多様な家電製品までよく見ればMade in China です。一時国産マスクが無くてマスクの値段が高騰しました。政府は中国から輸入を増やせばいいと思ったようです。国内の電機産業などが異業種参入して収まりましたが「足りなければ輸入」でいいのでしょうか。

 経済統計で見ますと、かつては常に黒字だった貿易収支が、今は殆どドトントンです。それでも経常黒字だというのは、第一次所得収支、つまり海外に進出している日本企業からの利子配当収入が増えたからです。生産活動は外国でその国の労働者によって行われているのです。だんだん日本は、得意だった「モノづくり」が下手になるでしょう。

 先を行っているアメリカの例を見れば、かつてはMade in USAが世界を制覇し、次いで安価な労働力を求めて海外に進出した企業が、多額の利子配当を齎したのですが、その結果、アメリカ国内の生産力(実体経済)はお留守になり、製品輸入が増加、貿易収支の赤字が第一次所得収支を上回り(海外での戦費などもあり)赤字国に転落、世界に迷惑をかけ、いま中国との貿易戦争ですが、アメリカの中国進出企業は多く、返り血を浴びています。
 このままいけば日本もアメリカと同じ道をたどることになるので要注意です。

話を「国債紙屑論」に戻せば、アメリカの轍をふめば、日本は基軸通貨国ではないので、通常の赤字国で、かつての韓国や、ギリシャのようにIMFの勧告を受けて、緊縮財政を強制され、円の価値は何分の1かになって、国債紙屑が現実になるのでしょう。

 すでにスマホでも有機ELでも海外に後れを取り始め、今回のコロナワクチンでも、政府は自力開発など一言も言わず、海外からの割り当て獲得ばかりに熱心という状態です。
 研究開発費の伸びない事はすでに指摘しましたが、日本学術会議への僅か10億円の支出を振りかざして研究開発の発信地に自己都合で揺さぶりをかけるというバランス感覚、先見性、洞察力の無さが目立ちます。

繰り返しますが。「建設には時間を要しますが、崩壊は早い」のです。コロナのように手遅れにならないことを願うばかりです。

日本の国債が紙屑になる条件(3)政治の部

2020年12月12日 16時16分26秒 | 政治
 日本の国債が紙屑になる可能性があるかどうか、累増する国債残高とそれで得た金を無駄遣いしていないか、財政収支の面から見て来ました、データ不足で解らないことも多いのですが、容易に金が入れば無駄遣いも多くなるし、カネの使い道を国民に知られたくないという気持ちも強くなることは矢張りあるようです。

 民主主義がポピュリズム化して、カネのバラマキで票が取れるという事になると、つい、財政規律を破壊しても金を使いたくなるのが人情でしょうか。
 アベノミクス以来の政治が、自ら「国債紙屑」路線を走り始めていないか、今回は政治の面から検討してみましょう。

 安倍さんが病気との理由で政権を菅さんに任せてから、桜を見る会の資金収支の辻褄が合わなくなりました。

 民主主義が機能する社会であれば、国民への説明もなしにこうした杜撰な財政管理をするような政権に対しては「ノー」が突き付けられ、国民の声を尊重する姿勢を示す政党が政権を取るのでしょう。

 しかし日本の場合はいわゆる一強多弱で、正面切って自民党に代われる政党がありません。そして自民党に取り入って与党の一角に入ろうとするなどいろいろですが、右から中道まで何とかまとめる自民党に対し、野党は、少しの違いを誇大視し、離合集散を繰り返す 狭量の党に成り下がっています。

 結局選挙をすれば自民党中心の与党連合が絶対多数を握り、強行採決でやりたいことをやるといった構図になっているようです。
 前回の選挙でもそうでしたが、自民党は、賢くそのタイミングを計ってきているようです。

 特に安倍政権になってからは、 田中角栄の予言が当たったのでしょうか、それまでの柔軟性を持った自民党とはだいぶ違った、歴史から学んでいないと思われるような強硬路線を時に国民を欺きながら進める様相が見えます。

 そして困ったことに、 官邸に人事を握られた官僚が、「忖度」などという難しい言葉を流行語にしてしまうような、国民の為ならぬ、政権の為のような態度に簡単にさせられてしまっていることです。
 昇進や昇給がそれほどまでに魅力的なのか、国民の為に立派な行政をやることが真の人間の価値を高めることなどという矜持は殆ど頭から消え去っているようです。

 そして恐ろしいと思うのは、こうして権力を握ることが、権力を握った人をどんどん劣化させ腐敗させるという事でしょう。
 「権力は腐敗する」何千年の歴史の中で生まれ、今も生き残っている諺ですから、初心は「自分が権力を握ったら、世のため人のために役に立つことをしよう」と思っていても、時と共に変わっていくというのが現実なのでしょう。

 世の独裁者はほとんど皆、最初は正義感から出発しているのではないでしょうか。
 リーダーになるものは、古今東西の歴史を、まさに 総合的、俯瞰的に学び、いかなるリーダーが優れた業績を残し、いかなるリーダーが悲劇的な結末を迎えたかを十分に理解し、国民との対話を常に尊重しつつ政権を運営して欲しいと思う所です。

 そして表題に帰って付け加えなければならないことは、今の野党の在り方では、自民党政権を長持ちさせ、腐敗を助長するだけではないか 、結果は財政の在り方についての規律が失われるだけでなく政治そのものの規律が失われ、(独裁にインフレはつきもののようです)政治の破綻が「国債紙屑」を齎す可能性が、時間と共に大きくなるという事ではないでしょうか。


日本の国債が紙屑になる条件(2):財政の部2

2020年12月11日 22時43分51秒 | 経済

 実は当初から、補正予算の額が異常に大きいことも気になっていましたが、それよりも、その使い道が「そんな無駄遣いして・・・」と気になっていました。

 アベノマスク490億円でしたか、一人一律10万円給付14.6兆円ですか、結果はご承知の如しで、アベノマスクをした人は見かけませんし、1人 10万円の給付は本当に困った人に、何倍かの給付をしても、結果は何十分の1かの金額で済んだのではないでしょうか。今に至って、本当に困っている人の自殺などが増える様相です。

 そのごのGoToキャンペーンではイートでの設計の失敗やトラベルのコロナの全国展開への促進効果など副作用も多く、とうとう分科会が中止の提言をし、災害並みの自衛隊出動にまで至っています。国民には、なぜ政府があそこまでGoToにこだわるのか(来年6月までやる)理解不能です。

 今後政府はどうするのか知りませんが、 アドバイスを頼みながら、それは無視して自分のいいようにやる、これは民主主義の破壊です。
 官邸で決めたことは、嘘を言ってでも、答弁を拒否しても押し通す、これは対話の破壊で矢張り民主主義の破壊でしょう。

個々の問題を取り上げればきりがありあせんが、本当の問題は、一国経済の運営に当たっては、財政当局が「健全財政を貫くことが基本である」という意識を持っていることが基本だという事ではないでしょうか。

 勿論、経済活動は民間に任せておけばバブルを引き起こしたり、時には恐慌を招くようなこともあるかもしれません。
 しかし、今日では国民一般も、また産業人も、(特に日本ではそうですが)経済活動、企業経営は、利益を上げるためのものではなく、社会をより豊かで快適なものにするための活動という理解が進んできています。

 労使関係にしても、賃金は高いほどいいという労働組合もないでしょうし、人件費は抑えるほど良いと単純に考えるような経営者はいないでしょう。

 一般市民自身が財政についての知識も確り身に着けてきているというケースが多くなっているのではないでしょうか。
 ですからMMT理論などといっても、そんなに旨いことがあるはずがないと疑心暗鬼の人が多いのでしょう。逆に理論倒れの学者の方がコロっと信用するのかもしれません。

 こうして一般市民のサイドでも、政府が金を出してくれるのは有り難いが、後から辻褄が合わなくなるのではないかという意見は次第に強くなるでしょう。

 そうした見方をすれば、些かカネの出しすぎではないかといった意見が強まり、その上、その使い方があまりに杜撰だと国民が思うようになると、政府を信用しなくなる可能性が強まります。

 マスクも10万円給付もそうですが、GoToに固執してコロナ感染者を増やし重傷者も死亡者も増やし、医療費負担をさらに巨額にし、GoToを止めれば手間暇かけて損失補填を支出するなど、折角の補正予算の無駄遣いが過ぎると考える人は多いのです。

 本当に恐ろしいのは、こうしたことが次々繰り返され、日本の財政当局は規律を持っているのか、それとも野放図に日銀依存のカネをばらまいているのかと国民が疑問を持つ事ではないでしょうか。

 MMT理論が言うように、この理論は、通貨への信用があって初めて成り立つのです。今はまだ日本では信用大でしょう、しかし国民が納得しない財政支出が、モリ・カケ・サクラから始まってコロナ対策や政治資金規正法がらみで多くなれば、一番大事な財政への信用に翳りがでてくる可能性無きにしも非ずでしょう。

 嘘が横行した国会答弁から、回答差し控えの国会答弁が多くなったようです。いずれも「知らしむべからず寄らしむべし」でしょうか。
  独裁への道は、必ずしも共産主義国だけではないようです。

日本の国債が紙屑になる条件(2):財政の部1

2020年12月10日 17時28分07秒 | 経営

政府支出の効率はどうか
 現状、日本の国債残高はGDPの3倍ほどです。これでも主要国の中では常にトップクラスで、「日本の財政は危機的状態」などという海外からの批判は絶えないようです。

 しかしマーケットでは円は信用があり「何かあると円高」といわれるような状態です、当然国債の価値もマーケットの様子を見る限り問題はなさそうです。
 では残高がGDPの5倍になったら、10倍になったら・・・といっても、なってみなければ解らないというのが本音でしょう。

 問題は、何倍だったら駄目というのではなくて、その時の日本の実体経済がどんな状況になっているかという事ではないでしょうか。

 今年度はコロナ禍で国債発行は大きく増えました。政府は経済の落ち込みを小さくしたいから3次にわたる補正予算を組んでいます。この補正予算について見てみましょう。

 年度早々の4月に組んだ第一次補正予算は、安倍さんの言葉を借りれば、事業規模108兆円で財政支出26兆円、その差は、財政投融資や民間の関連事業という事になります。

 5月の第二次補正は財政支出32兆円で事業規模117兆円、この時は30兆円の予備費が組み込まれているという事で30兆円は大き過ぎると問題になっていました。

 そして今回、菅内閣で纏めつつある第三次補正は、本年度分で財政支出20兆円で事業規模73兆円となっています。
 いずれにしてもこうした補正予算の財源は、殆どが国債で、国債残高は急速に増える事になります。

 政府としてはコロナ対策として「最大限の努力」と国民に見せたいのでしょうが、この事業規模をみんな足し合わせたらどのくらいになるでしょうか。
 108+117+73=293 つまり日本経済の中で約300兆円の事業が行われるという事になるのです。

 日本経済が昨年度550兆円ほどで、今年はコロナで減って、500兆円になると予測されていますが、これらの数字を比べてみてもかなりのギャップがあります。

 政府の発表する数字に合理性があると仮定して、計算してみれば、550兆円-293兆円=257兆円ですから、3次にわたる補正を組んでその波及効果も含めて考えれば、「放置すれば日本のGDPはコロナのせいで、257兆円にまで落ち込んでいた」という事になるのです。

 日本よりずっと大きな人的被害を受けている諸先進国でも、GDPの落ち込みは2割から3割といわれていますが、日本の場合GDP6割減という数字が見込まれていたことになります。

 補正予算の事業規模が政府の指摘通りに実現されていた場合には、例え日本のGEPが昨年度の半分に落ち込んでも 275兆円+293兆円=568兆円 という事で、日本経済はコロナにも関わらず、アベノミクス以降最高の3.3%の経済成長率という事になるようです。

 という事は一体どういう事でしょうか。
 はっきり言ってしまえば、政府支出を増やして経済活動を活発にしようという財政政策の効果が「政府の目論見通りの効果を上げていない」可能性が大きいという事です。

 政府は気前よく金を出せば、国民は喜ぶと思っているのでしょうが、その裏には非効率な金がばらまかれ、財政悪化に拍車をかけているという事があるようです。
 次回はその辺りの痕跡と、その齎す問題を考えてみましょう。


日本の国債が紙くずになる条件(1)

2020年12月09日 11時51分32秒 | 経済
「国債紙屑」の条件は国民と政府次第
日本の国債が紙屑になるような時が来るでしょうか。MMTによればいくら国債を出してもそんなことはないという答えがけってきそうですが、そんなにうまい具合に行くのでしょうか。 少し考えていってみましょう。

国債が償還出來なくなった時、あるいは償還出來ても、その価値が発行時に較べて著しく下がっているというのが「国債が紙屑」といわれるための条件でしょう。
国民が多くの貯蓄を持っていて、経済もそれなりに順調に回っていて、その国の通貨もそれなりに信用されているというのが今の日本の状態です。
ただ、増税をやって選挙に負けるのを恐れる政府は、ついつい国債発行で資金繰りの帳尻を合わせ、一方、不況対策、高齢化による負担増、災害対策給付、海外からの要望などで歳出は増加の一途という事で国債残高の累増を招き、円安維持のためのゼロ・マイナス金利政策もあって、結局長期債は日銀に押し込み、日銀の国債保有率が著増するという事になっているのが現状でしょう。

 MMTによれば、それでも、その状態を続けても問題ないという事なのです。その上、金利水準が上がっても、国債の価格は下がりますが、満期まで持っていれば額面で償還され、新発債の利息は上がりますが、結果は日銀の受取利息収入が増え、日銀の利益は国庫に納付されるので、それは単に「行って来い」だという事ではないかとなるのです。

 金勘定だけからいえば、そうかもし得ません。しかし、金利が上がるのには原因があるはずです、MMTはおカネのやり取りだけで問題が起きないとか片つくと考えているようですが、「ではなぜ金利があがるのか」という実体経済の動きを考えてみますと、ことはそう単純ではないようです。

 日本経済も今のところインフレはなくゼロ・マイナス金利で経済はそれなりに回っています。最も問題な金融機関(特に地方銀行)経営も業態を変えながら頑張って現状適応しています。しかし本当に長続きするかは解りません。 

現状、国民が貯蓄を持っていて、国債は資産として保有しているといいう状態が続いてくれれば、償還期限のきたものの借り換えも可能でしょうし、国としての資金繰りは廻っていきます。
 
 今、GDPの3倍に近づく国債発行残高があるという状態で、ゼロ金利では市中にその消化能力(意欲)がないのでしょうか、日銀が早晩その半分を保有する勢いです。

 すべては当面インフレはないという前提と、政府・日銀に対する「信用」によって成り立っているのです。インフレ激化というようなことはない、インフレ率が2%を超えれば金利も上がるだろう。高裁は最も安全な資産であるという信用です。

 しかし、見方によれば、こんな状態はまさに「累卵の危うき」にあるとも言えそうです。勿論現状日本人はそうした危機意識は全く持っていません。正直なところ私もそれほどの危機意識は持っていません。

 しかし見方によっては「累卵の危うき」にあるわけですから、何か平衡を保っている条件の一角が崩れるとたちまち卵の山は崩れて卵の多くは潰れるという危険性は孕んでいるのでしょう。

 差し当たっては、国債発行残高がどの位になったら危険水域に入るのかという問題でしょうか。この辺りから可能性を検討していってみましょう。

日本で国債が紙屑になる可能性は

2020年12月07日 23時09分39秒 | 経済
累積する赤字国債は何処に行くのか(6)
今回の推論は、先ず、前回の続きになりますが、世界の多くの国の中でも自国通貨の価値が切り下がること(日本なら円安になること)を恐れる国と、逆に自国通貨が切り上がる事(日本なら円高になること)を嫌う国があることは良く知られています。

 自国通貨が切り下がることを恐れる国は、どちらかというと技術力、生産力で後れを取っている途上国に多く、国際収支は赤字傾向で、インフレ率が高くなりがちな国に多いようです。

一方、自国通貨の価値が切り上がる事を嫌う国は、比較的高い技術力、生産力を持つ国で国際収支は黒字傾向、インフレ率はあまり高くない国という事になりましょう。

理由はもう既にお解りと思いますが、工業生産でも食糧生産でも外国に頼る場面が多く、自国通貨が切り下がれば輸入物価はそれだけ高くなり、多分それは直ちに国内の賃金水準などコストプッシュインフレに転嫁され、一層の為替レートの低下を招き、輸入インフレと国内インフレのスパイラルを容易に引き起こして正常な経済活動が破壊される可能性があるからでしょう。

一方、技術力、生産力も高く、国際収支も黒字基調といった国は、為替レートの切り上げは、自国の競争力を弱めるので望ましくないわけで、たとえ為替が切り下げられても、それは国際競争力の強化につながり輸入インフレと国内インフレのスパイラルが起きる前に、輸出が好調になり経済成長を牽引する可能性が出て国際収支の黒字が増え、為替レートの下落を止める事が確実視されるからでしょう。

前回見ましたベネズエラの例は前者で、後者の典型的な例は日本や中国でしょう。アメリカは万年赤字国ですが、基軸通貨国という特別の地位にありますので、本心ではドル安を望みながら、時に強いドルを掲げたりして使い分けているようです。

さてこうして分類をしてみたうえで、国債の巨額の発行という問題の行く末を見てみたいと思います。

世界一の石油埋蔵量を誇るベネズエラが、いかにして最悪の経済転落の道をたどってしまったのか考えて、直ぐに解ることは、同国の政治が世界の現実に追い付いていないという事でしょう。
最強の資源である石油をすべて我が物にしようとして、外国の資本を追い出してみたものの、日進月歩の採掘技術、重質油のクラッキング技術(もともとベネズエラの原油は重質なので水素を加えて軽質化の要あり)、から装置のメンテ技術も不十分であることに加え、利権の独占をはかる独裁政権と特定資本。そして国債は$ドル建てといったことで、経済崩壊のお膳立ては揃っているという事ではないでしょうか。

日本とは、正に正反対の状況といえばそうかもしれません。しかし、こうした他国の経験の中から、もし日本で「国債は紙屑」という事が起きるとすれば、それはどういう原因で、どういう状況の中で、と考えるヒントはあるような気がします。

 日本の政治、経済、社会の中にも、その萌芽のようなものは、実は種々見られるのです。
 しかし現状では、まだまだ国民の行動が確りしていえるので、その芽は育ってきていないようです。では安心していいのかというとどうでしょうか。
 その辺りも検討して置かなければならないようです。

累積する赤字財政は何処に行くのか(5)

2020年12月06日 23時00分30秒 | 経済
インフレになれば国債の価値も下がる
 国債というのは原則その国の通貨建てで発行されますから、その国がインフレになれば、国債為替市場でその国の通貨は安くなり、国債はその国の通貨建てですから、例えばドル換算で見れば(ドルの価値は安定と仮定)国際的にみて、その国の国債の価値は低下することになるというのが自由経済の原則でしょう。

 その国の国民にとっては、額面金額は同じですから、物価が上がった分価値が下がったことになるのですが、インフレ率の高い国は金利も高いので、国債の利回りの方が金利より高ければもとは採れるという事になるでしょう。

 日本の経験のように戦前は2000円あれば家が建ったのですが、戦後は米一升が200円以上なんてことになり、家を建てようと貯金して国債を1000円持っていたけれども、戦後償還になった時は、1週間の米代にも足りなかったというような事で、「国債は紙屑」などと言われたわけです。

 表面的な現象としては、インフレ昂進ですが、その背後にある経済の現実は、日本中の都市はほとんど焦土となり、生産設備は破壊され、あらゆる資源は飛行機や軍艦、戦車や、弾薬となってほとんどが海の藻屑となって何もない、男は兵隊に行って農地も荒廃、食料も絶対的に不足という中で「お札や国債は腹の足しにはならない只の紙切れ」という経済実態があったからです。

 戦争でなくても、国の経済政策が失敗すると、似たようなことは起こり得ます。
 最近の例ですと、一時は世界最大の石油埋蔵量を誇り経済発展も著しかった南米ベネズエラですが、反米と社会主義を掲げ、自国中心の経済運営を目指した結果が、政治体制の未成熟、利権政治の横行、技術力の不足などで石油産出量は2000年の10分の1ほどに低下してしまいました。

石油の利権や輸出で獲得する外貨で廻っていたベネズエラ経済は外貨不足になり、「米ドル建て」の国債・石油会社の社債の金利負担が過重になり、輸入制限をやった結果、食料・医薬品のなどの必需品の不足などでインフレが累積的に昂進、今年は物価が10万倍というインフレになると予想されています。ただし国債はドル建てですから紙屑にはならず、利払いは自国通貨(ボリバルフェルテ)では今年は去年の10万倍の利息支払いになるわけです。

 このように、いろいろな事例を見て来ますと、MMTが成立するのは一定の特殊な条件のもとでしか可能ではないと言えそうです。貨幣が金から紙幣になり、さらにデジタル化してくといった制度やシステム上の変化は、どうも関係ないようです。

 貨幣、通貨、国債も含めて、これらは結局、社債の価値が発行企業の経営上他愛をあらわ鵜様に、発行する国の実体経済を映す鏡であり、実体経済と違うものを鏡に映したり、鏡の力で実体経済を変えるといたことは、やっぱり不可能なのではないかと思われてきました、。

 次回は、経済外交政策としての、通貨の切り上げ、切り下げと、物価、国債の問題について見ていってみましょう。

累積する赤字財政は何処に行くのか(4)

2020年12月05日 20時32分43秒 | 経済
国債が値下がりする条件
 国債が値下がりするというリスクは、いわゆるソブリンリスク、国そのものの経済価値が減価することを警戒しなければならないといった状態に陥ることでしょう。

 最もはっきりしているのは、例えば、日本がどこかの国の戦争に協力して、日本の主要基地や主要都市にもミサイルが飛んでくるような状態になれば日本の生産力も経済価値も大きく下がる可能性が増大、主要投機資本は国大に脱出、スイスの銀行辺りに行くことになり国債は売られて価格は下がるでしょう。

 まあ、そんなことは考えられないので、では自然災害の場合はという事になるかと考えてみますと、東日本大災害でも国債の価値はびくともしませんでした。しかし対岸のアメリカでは、ガイトナー財務長官が「日本は(大災害でも)金持ちだから保有するアメリカ国債は売らない」などと、日本が米国債を売らないように予防線を張っていました。アメリカは米国債の価格低下を恐れていたのです。

 日本は中国と1、2を争そう米国債の保有国ですから、アメリカの気持ちも解りますが、日本でも、もし外国が日本の国債を沢山持っていたら、外国の日本評価や、外国の資金繰りの都合を気にしなければならないところでしょう。

 そこで出てくるのは国際収支の問題です。国際収支が赤字の国は、海外から借金して資金繰りをつけなければなりません。だいたい赤字の企業と同じで赤字の国は借金もしにくいですし、金利も高くなります。金利が高いと借金は雪だるま式に膨らんで返済不能になり「国債は紙屑」などという事になります。

 日本はドイツなどと並んで、世界有数の万年黒字国ですから、そうして心配はありません。貸し借りは国民と国との間のことで外国から金は借りていません。外国から見れば、夫婦どちらの財産であろうと、金持ちの家(国)ですから信用はあります。

 この点、赤字国と黒字国をいっしょくたにしてMMTを論じるのは、どうも誤りのような気がします。
 しかしアメリカは万年赤字国なのに、MMTを言い出している国です。その理由を考えてみますと、アメリカは基軸通貨国で、ドルの価値は世界経済を数字として計る価値の基準のようなものになっているので、例えドルの価値が変わっても、世界中がそれを基準にしているので、一見価値は変わらないように見えるからではないでしょうか。
 ドルがインフレ(物に対して減価:金に対しては大幅に減価していますね)になったら、世界の国々も同じ程度のインフレになっていけば世界経済のバランスは維持されるのです。
 日銀がアメリカと同じ「2%インフレ」を目標にしているのはそのためでしょう。

 ここでインフレの問題が出てきます。上に並べたそれぞれの問題も必ず何らかの形でインフレに反映しますから、インフレだけで国債の価格を論じても結果は同じようなことになるという事も出来ましょう。

長くなるので、国債の価格とインフレの問題は、為替レートの問題なども含めて次回以降に考えてみたいと思います。

累積する赤字財政は何処に行くのか(3)

2020年12月04日 22時16分20秒 | 経済
蓄積社会の進展とも関係あるようです
 前回は、日本のGDPと国債発行残高、その内、日銀が保有するものの3者をグラフにしてみました。
 そこから見えてきたことは、政府としてこの膨大な借金を返済するといった.ことはとてもできないだろうという事でした。

 この現実を前提に、そうした現状にも拘らず、日本では、誰もが国債はきちんと金利は払われ、元本保証で、最も安心できる資産だと考えているというのが現実です。

 理由ははっきりとはわかりませんが、個人貯蓄に占める国債等債券は3%未満で、普通預金などは30%ですから、通常の資金繰りは銀行預金で済ませ、国債安定資産として保有することで済んでいるのでしょう。

歴史的にも銀行で取り付け騒ぎなどが起きるのは、誰かがあらぬ噂を流し、大衆がそれ信じて銀行から金を下ろし、大騒動になるという事のようです。

 しかし、今はすべてが信用通貨ですから、国債を1万円札に替えれば日銀が1万円札を印刷するだけで、特に大騒ぎするようなことは起きないでしょう。
お札を持っているよりも銀行に個人国債の勘定を持っていた方がペイオフもなし、泥棒に入られる危険もなく、資産管理としては余程安全なのです。

 こうしたシステムはすべて蓄積社会に対応するように作られているのは明らかで、GDPの3倍を超える個人貯蓄があるような蓄積社会では証券や債券の現金化の要求は極めて少なく、国債も紙幣も政府、日銀の借金証書ですし、デジタル社会では流動性預金が現金と同じという事になっているのです。

 その意味では巨大な蓄積社会の日本で、国債の90%以上を日本人が持っている状態の下で、外国の影響は少なく、国内インフレも小さいという事になりますと、国債は、政府にとっては借金とはいえ、国民にとっては蓄積資産の最も確実な保有の形態として利用される可能性は高いという事でしょう。

 銀行システムが確りしている限り、銀行預金も極めて安全な資産保有の手段ですが、リターンより安全を優先するならばペイオフのない国債は国民にとって最も確実な資産保有手段なのです。

 ですから、今回のコロナ問題で数十兆円の国際が発行されても、誰も心配していません。それだけ円の価値を信用している、国債の価値も信用しているということでしょう。

 日銀保有の国債は急増していますが、それを心配する人もあまりないようです。
 この辺りは改めて論じることになると思いますが、国の今年度決算の半分以上が国債という借金で賄われても政府は平然、国民も「もっと補助金が欲しい」というわけです。

 それでも日本経済は大丈夫だと政府は太鼓判、国民もそれを信用しています。信用しているうちは、特に問題は起きないという事のようです。
 ではなぜ信用できるのでしょうか*?

累積する赤字財政は何処に行くのか(2)

2020年12月03日 22時49分47秒 | 経済
GDP,国債発行残高、日銀保有国債の推移
まず最初に、この10年ほどの間の、日本のGDPの推移、国債発行残高の推移、そのうち日銀保有国債の推移の3つを並べてみました。

GDP,国債残高、日銀保有国債 (資料:財務省、日本銀行)
   
 完全な図表をと思いましたが、些か急いだので、ネット検索で情報の取れていない所があり申し訳ありません。(2020年度は予想込みです)
 しかし全体的な傾向はお解り頂けると思い先ずはこれで見ていきたいと思います。

最初はGDPですが2010年は500兆円で、2019年度は550兆円を超えて来ました(1割増、年率1.1%増、数字は以下全て名目値)ですが、2020年度にはコロナ禍のお蔭で500兆円に落ちて10年前とほぼ同じになりそうです。

 国債発行残高は2013年度から1000兆円を超えGDPの2倍以上になり2020年度には1300兆円(33%増、年率3.2%)を超えそうです。

日銀の国債保有は、2014年度270兆円、2020年度は530兆円(この間ほぼ2倍で年率12%増を超えそうです。

 こう見て来ますと、2020年のコロナ禍の落ち込みを除いても、最近9年の名目経済成長率は僅か1.1%(敢えてコロナ禍は入れません)ですが、国債発行残高は年率3.2で増え、日銀の国債保有高は6年で倍増年率12%という増加ぶりです。

 中長期で見てこうした動きが現実であれば、これからも、コロナ後に一時的な急回復があったとしても、均してみれば日本経済は低成長で、国債発行は成長率を上回って増え、その多くの部分は日銀が市中から買い上げ、間接的に日銀引き受けを増やしていかざるを得ないという様子が見え見えになってきます。

 これがアベノミクスの実態だと言ってしまえば、アベノミクスをずっと続けることは多分不可能で、何時か大きな破綻が来そうに思えるのは当然でしょう。

 いずれにしても、政府にこれだけの借金を返済する能力は多分無いでしょう。
日本国債の持ち主が外国だと怖いですが、多分今でも90%以上は日銀を含めて国内で消化しているのでしょうから、問題はほとんど日本国内で起きるだろうという事になるのでしょう。

 さて、どんな問題が起きると、この政府の借金構造が破綻をきたすのか、あるいはMMTが言うように、問題など起きなくて済むのか、これから、出来るか出来ないか、必ずしも自信はありませんが、その辺りを順次検討していってみたいと思います。

法人企業統計2020年7-9月期瞥見

2020年12月01日 23時30分28秒 | 経営
法人企業統計2020年7-9月期瞥見
 今日、財務省から法人企業統計季報の7-9月分が発表になりました。
 3か月前の4-6月期については、多少詳しく報告しているので、今回は、売上高、各種利益率、そして設備投資の動向を見ておきたいと思います(以下全て金融保険を除く全産業)。

法人企業の売上、利益増減の推移

       財務省:法人企業統計季報

 グラフにしたのは昨年の7-9月期からの前期比増減で、コロナ以前とコロナに突入してからの極端な対比が見られますが、先ず売上高で見ますと、実は、コロナ以前から全産業売上高はは下降に転じていたのです。

 政府は当時景気は緩やかに上昇などといっていましたが、法人企業トータルのレベルでは駆け込み需要の影響も見えない状態で、年末年始のビジネスも不振、今年1-3月には景気の落ち込みが明確になる中で4-6月のコロナ禍に突っ込むという形になっています。

 幸いな事にと言いますかこの7-9月になって、4-6月の緊急事態宣言を反映した落ち込み程ひどい状態ではなくなっていますが、製造業関係では中国の回復、非製造業関係ではGoToの影響もあるでしょう。ただ産業分類の仕方で、その辺りがはっきり見えないのが残念です。

営業利益の落ち込みより、経常利益の落ち込みが小さいのは、安定した第一次所得収支の影響と思われますが、利子や配当収入は遅れて発生するものですから、タイムラグを置いてこれも影響を受ける可能性はあります。

 企業が少し長期的な目で考える設備投資(土地購入を除く、ソフトウェア投資は含む)について見ますと、コロナ禍に入ってから11%程度のマイナスンになっています。
 勿論短期的な落ち込みがダイレクトに影響するものではないでしょうが、1割を超える落ち込みという事は、コロナ不況は世界的に見てかなり深刻という認識でしょうか。
       法人企業の設備投資増減の推移

            資料:同上

 世界的に、第3剥が深刻な問題になっていますが、矢張り企業は慎重なようです。

 なお、付け加えますが自己資本比率については、コロナによる落ち込みに合わせて、債務過剰に陥らないようにバランスシート調整をしている企業が多いようで平均はずっと43%台、低下幅は僅少です。