tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

累積する赤字財政は何処に行くのか(2)

2020年12月03日 22時49分47秒 | 経済
GDP,国債発行残高、日銀保有国債の推移
まず最初に、この10年ほどの間の、日本のGDPの推移、国債発行残高の推移、そのうち日銀保有国債の推移の3つを並べてみました。

GDP,国債残高、日銀保有国債 (資料:財務省、日本銀行)
   
 完全な図表をと思いましたが、些か急いだので、ネット検索で情報の取れていない所があり申し訳ありません。(2020年度は予想込みです)
 しかし全体的な傾向はお解り頂けると思い先ずはこれで見ていきたいと思います。

最初はGDPですが2010年は500兆円で、2019年度は550兆円を超えて来ました(1割増、年率1.1%増、数字は以下全て名目値)ですが、2020年度にはコロナ禍のお蔭で500兆円に落ちて10年前とほぼ同じになりそうです。

 国債発行残高は2013年度から1000兆円を超えGDPの2倍以上になり2020年度には1300兆円(33%増、年率3.2%)を超えそうです。

日銀の国債保有は、2014年度270兆円、2020年度は530兆円(この間ほぼ2倍で年率12%増を超えそうです。

 こう見て来ますと、2020年のコロナ禍の落ち込みを除いても、最近9年の名目経済成長率は僅か1.1%(敢えてコロナ禍は入れません)ですが、国債発行残高は年率3.2で増え、日銀の国債保有高は6年で倍増年率12%という増加ぶりです。

 中長期で見てこうした動きが現実であれば、これからも、コロナ後に一時的な急回復があったとしても、均してみれば日本経済は低成長で、国債発行は成長率を上回って増え、その多くの部分は日銀が市中から買い上げ、間接的に日銀引き受けを増やしていかざるを得ないという様子が見え見えになってきます。

 これがアベノミクスの実態だと言ってしまえば、アベノミクスをずっと続けることは多分不可能で、何時か大きな破綻が来そうに思えるのは当然でしょう。

 いずれにしても、政府にこれだけの借金を返済する能力は多分無いでしょう。
日本国債の持ち主が外国だと怖いですが、多分今でも90%以上は日銀を含めて国内で消化しているのでしょうから、問題はほとんど日本国内で起きるだろうという事になるのでしょう。

 さて、どんな問題が起きると、この政府の借金構造が破綻をきたすのか、あるいはMMTが言うように、問題など起きなくて済むのか、これから、出来るか出来ないか、必ずしも自信はありませんが、その辺りを順次検討していってみたいと思います。