tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

国際刑事裁判所プーチンに逮捕状

2023年03月18日 15時10分48秒 | 国際政治
今朝突然のニュースが入ってきました。
国際刑事裁判所が、ロシアのプーチン大統領に逮捕状を出したというニュースです。

国際刑事裁判所(ICC)は、個人の国際犯罪を裁く裁判所です。(国家間の紛争を裁く国際司法裁判所とは異なります)。今回ICCから逮捕状が出たのはロシアのプーチン大統領とリボワベロワ大統領全権代表(子供の権利担当)の2人です。

犯罪と認定されているのは、占領地のウクライナの大勢の子供がロシアに移送されたことで、これは国際犯罪に当たるとのことです。

ロシアでは大統領令でこうした子供たちにロシア国籍の付与を促進、養子の促進の方針が出され、永久にウクライナには返さないという容疑が固まったという事のようです。

何か、北朝鮮の日本人拉致事件と共通するものを感じますが、こんな事が世の中にあっていいものでしょうか、ロシアという国は一体何を考えているのか、日本人としては全く理解に苦しむようなことが起きているようです。

この問題を担当する国際刑事裁判所の判事3人の中には、日本出身の赤根智子氏も入っているとのことです。ご努力に敬意を表するところです。

一方現実の事情はどうかと言いますと、国際刑事裁判所の条約締結国は123か国ですが、ロシアはかつて署名はしたが、撤回か、批准の意思はなことを明確にしているとのこと、アメリカはクリントン大統領の時に批准したが、ブッシュ大統領になって撤回、中国は未加盟ということだそうです。

ロシア外務省は「ロシアはICCには加盟していない。逮捕状は法的に無効で何の意味も持たない」と言っているとのことで、中国の習近平主席は今日ロシア訪問、アメリカのバイデン大統領は「プーチンが戦争犯罪を行っていることは明白」と言っていますが、法的な問題には触れていないようです。

こうした重要な国際的課題を担う国連組織に、安全保障理事会の常任理事国の5か国のうち3か国が入っていないというのが、今の国際情勢ですから、主要国それぞれの考え方、行動の在り方が、国連という組織を通じて、世界の安全保障に役立っているとは、残念ながら言えないと痛感するところです。

結局、国連のグテーレス事務総長の正直な発言の様に「国連は戦争を止めることは出来ない」という言葉がすべてを象徴しているという事なのでしょう。

プーチンの行動を、戦争をエスカレートさせずに止められるのは、ロシアの世論、公式的には選挙の結果あるいは国民の力ずくの運動かしかないのです。

今回の国際刑事裁判所のプーチンに対する逮捕状が、直接、間接を問わず、1人でも多くのロシア国民に、プーチンの行動は誤りであることを気付かせ、ロシア国民自身がこの時代錯誤の悲惨な戦争を終わらせる決定に辿り着くための一里塚になって欲しいものです。
今、人類の知恵が問われているのでしょう。

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