これまでのところ今春闘の結果は予想外に高めのものになりそうな気配です。
産別労働組合の組織としては我が国最大のUAゼンセンは、昨日春闘結果の一次集計を発表しました。
賃上げ率は、正社員で4.56%、パートは5.9%という事で、大方の予想を大幅に上回るものです。
集中回答日までに回答する所は一般的に高賃上げが可能なところですから、第2次以降の集計は次第に低くなるのでしょうが、いずれにしても予想をかなり上回りそうな気配です。
とはいえ、日本の労使関係の中では欧米の様に賃金インフレなって中央銀行が慌てて大幅な公定歩合引き上げでインフレ阻止を図るような無思慮な賃上げは起きません。
予想外に高いと言っても、ほぼ日本経済・企業の実力の範囲でしょうから、これからの日本経済の正常化、活性化を支える動きに役立つ範囲に収まることは間違いないでしょう。
この時点で表題のような事を言うのは些か早いのかもしれませんが、アベノミクス以来の失敗の本質を考えてみれば、早い時点で、これからの日本経済の順調な成長軌道への復帰を誤りないものにするために、より多くの方の理解が必要と考えているからです。
結論から先に言えば、アベノミクスの失敗の基本的原因は、何でも政府がやろうとし、民間の力を生かすことをしなかったという点に尽きます。
ただそれでだけの事なのか、原因はもっと複雑だろうという見方もあるかと思いますが、複雑な現象は、殆どが基本的な誤りから発しているのです。
何故そんなことになるのかと言いますと、先ず、政府のしたい事と、民間のしたい事とは違うからです。
勿論「民のかまどは賑わいにけり」と喜ばれた仁徳天皇のようなリーダーであればいいのかもしれませんが、アベノミクスはそうではありませんでした。
「決める政治」と銘打って、労使の専権事項である春闘まで「官製春闘」と言われるように、何でも政府が決める、最終意思決定者は総理自身という人がリーダーですと、官僚も国民は「ついていくだけ」と、やる気がなくなってくるのです。
家庭でも父親が専制的であれば子供の自主性は育ちません。企業でも上司の主張が強すぎると部下は自分で考えなくなります。
アベノミクスは、理論的に間違っていたというより、安倍さんのやり方が間違っていたことにより大きな失敗の原因がありました。
もともと権勢重視の政治家の目的は、自分の政権を長く維持する事ですから、自民党が選挙に勝つこと、自分がリーダーになる事が最大の目的で、政策は国民の人気を得るために「格好の良いスローガン」を掲げるという「手段」の中の1つに過ぎなかったのでしょう。
結果は、企業は自社の利益・資本蓄積に専念、国民は、老後のために貯蓄に励むといった個々の立場が中心になり、国や社会のために国民全体のベクトルを合わせるといった「日本経済の発展」という総合の力が低下し、社会的沈滞が起きたのでしょう。
典型的には、国民がカネを使わず、政府がそれを借りて(国債発行)使うことになり、国債残高は著増しましたが、民間の努力に頼るべき「人材の育成」、「科学技術の振興」が大幅に遅れ、1人当たりGDPが世界28位に堕ちたという結果のなりました。
この同じ間違いを岸田政権がやらない事をこのブログは強く願っているところです。
産別労働組合の組織としては我が国最大のUAゼンセンは、昨日春闘結果の一次集計を発表しました。
賃上げ率は、正社員で4.56%、パートは5.9%という事で、大方の予想を大幅に上回るものです。
集中回答日までに回答する所は一般的に高賃上げが可能なところですから、第2次以降の集計は次第に低くなるのでしょうが、いずれにしても予想をかなり上回りそうな気配です。
とはいえ、日本の労使関係の中では欧米の様に賃金インフレなって中央銀行が慌てて大幅な公定歩合引き上げでインフレ阻止を図るような無思慮な賃上げは起きません。
予想外に高いと言っても、ほぼ日本経済・企業の実力の範囲でしょうから、これからの日本経済の正常化、活性化を支える動きに役立つ範囲に収まることは間違いないでしょう。
この時点で表題のような事を言うのは些か早いのかもしれませんが、アベノミクス以来の失敗の本質を考えてみれば、早い時点で、これからの日本経済の順調な成長軌道への復帰を誤りないものにするために、より多くの方の理解が必要と考えているからです。
結論から先に言えば、アベノミクスの失敗の基本的原因は、何でも政府がやろうとし、民間の力を生かすことをしなかったという点に尽きます。
ただそれでだけの事なのか、原因はもっと複雑だろうという見方もあるかと思いますが、複雑な現象は、殆どが基本的な誤りから発しているのです。
何故そんなことになるのかと言いますと、先ず、政府のしたい事と、民間のしたい事とは違うからです。
勿論「民のかまどは賑わいにけり」と喜ばれた仁徳天皇のようなリーダーであればいいのかもしれませんが、アベノミクスはそうではありませんでした。
「決める政治」と銘打って、労使の専権事項である春闘まで「官製春闘」と言われるように、何でも政府が決める、最終意思決定者は総理自身という人がリーダーですと、官僚も国民は「ついていくだけ」と、やる気がなくなってくるのです。
家庭でも父親が専制的であれば子供の自主性は育ちません。企業でも上司の主張が強すぎると部下は自分で考えなくなります。
アベノミクスは、理論的に間違っていたというより、安倍さんのやり方が間違っていたことにより大きな失敗の原因がありました。
もともと権勢重視の政治家の目的は、自分の政権を長く維持する事ですから、自民党が選挙に勝つこと、自分がリーダーになる事が最大の目的で、政策は国民の人気を得るために「格好の良いスローガン」を掲げるという「手段」の中の1つに過ぎなかったのでしょう。
結果は、企業は自社の利益・資本蓄積に専念、国民は、老後のために貯蓄に励むといった個々の立場が中心になり、国や社会のために国民全体のベクトルを合わせるといった「日本経済の発展」という総合の力が低下し、社会的沈滞が起きたのでしょう。
典型的には、国民がカネを使わず、政府がそれを借りて(国債発行)使うことになり、国債残高は著増しましたが、民間の努力に頼るべき「人材の育成」、「科学技術の振興」が大幅に遅れ、1人当たりGDPが世界28位に堕ちたという結果のなりました。
この同じ間違いを岸田政権がやらない事をこのブログは強く願っているところです。