tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「新しい資本主義」登場、「1億総活躍」など退場

2021年11月14日 22時55分21秒 | 政治
岸田政権は、去る12日、内閣官房の副長官のもとにある40ほどの分室の整理を発表しました。
コロナ対策関係の3つを1つに統合したり、安倍政権の看板でもあった4つの分室を廃止して総数も33に減ったとのことです。

分室というのは新しい政策を打ち出すときその企画や他の政策との調整などをする所だそうですが、数が増えるばかりだったようですから、不要になったものを整理するのは大変結構なことだと思います。

 今回、廃止になった4分室は、いずれも安倍政権の肝いりだったもので、

・1億総活躍
・働き方改革実現
・統計改革
・人生100年時代構想


の4つだそうで、並べてみますと、活字は立派ですが、一体具体的には何をやるのかやったのか、見当もつかなかったり、成果の記憶もない漠としたものばかりです。

「1億総活躍」はタイミングの悪く、この所は活躍するのはデルタ型のコロナウィルスで、人間様はなるべく外出も旅行もやめて巣籠りを宜しくになってしまいました。
もともと安倍政権の下では格差社会化が進んで、活躍できる人と、したくても出来ない人の分断が起きているのですから、担当の分室は何をしていたのでしょうか。
今では「そんなことを言っていた日もあったな」程度に印象も薄くなっています。

「働き方改革実現」は企業の労使や、労使のナショナルセンターを巻き込んで、双方に混乱や誤解でトラブルは増えましたが、労働時間短縮と二重就業がともに推奨されたり、新卒一括採用がいけないといっても何も変わらないし、同一労働・同一賃金にすべしといっても、同じ仕事をしている1年先輩の給料は相変わらず高いままでいいそうで、労使の協議で決めるべき最低賃金を政府が無理に引き上げさせて中小企業の求人が減ったりで、なんの役に立っているのかさっぱり解りません。

統計改革に至っては、毎月勤労統計で重大な取り扱い錯誤がありましたが、あれは担当する公務員の不勉強か手抜きで、日本の統計システムは、世界のどこに出しても恥ずかしくないものでしょう。
それに政治家が、労働時間の調査やGoTo政策とコロナ感染者の数字について、きちんと統計を理解せず調べもせず聞きかじりの発言をして、世の中を混乱させました。これは統計を改革しても直らない問題で、政治家が統計の使い方を勉強しなければならないというだけのことでしょう。

「人生100年時代構想」などは保険会社や金融機関のコマーシャルで生き残っていますが、政府がなにをしたのか、全く記憶はありません。国民の最大の関心は100歳まで生きたら年金はどうなるのだろうという所にあるのは誰でも理解しているところですが、その肝心の年金の方は、担当大臣の諮問に応えて審議会が出した答申を、内容が都合悪かったのか、担当大臣が受け取り拒否をしたといったことで、国民は狐につままれたように感じています。

わるぐちばかり書いて申し訳ありませんが、「こんな良い事をやってくれた分室を潰すのはもったいない」などと書くような記憶は出て来ないので、こんな事になってしまいました。

こう見てくると、岸田政権が分室の整理に手を付けたという事は大変結構な事のように思われます。

これ以外にも、国民が安倍政権に対して「きちんと後処理をしてほしい」と思っている問題は沢山あるようですから、岸田政権はお手すきの時にでも、是非、そうした問題も順次片付けていってほしいと思う所です。

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