tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

GDP(2021年7-9月期)、デルタ株で消沈

2021年11月15日 16時16分18秒 | 経済
今日、内閣府から標記のGDP統計の第一次速報が発表になりました。
この所の経済の動きは、いわばコロナ次第という事で、それが最大の経済活動の分野である「国民の消費活動」(GDPの半分超)と、2番目の企業の設備投資(GDPの十数%)、を左右し、それに国際環境や、政府の経済対策が多少影響してくるといった状況です。

国民としては、コロナの新規感染者の数字が一番気になるところですが、思い出していただきますと、デルタ株という感染力の強烈な新種が生まれ、国内の新規感染者数が連日ニュースのトップになり、みんなが「これからどうなる・・・」と心配したのが8月時点でした。

しかしワクチン接種の加速の効果もあったのでしょう。勿論デルタ型の猛威に、国民の巣籠り状態が徹底したこともあるでしょう、8月中旬をピークに新規感染者数は徐々に減少に転じ今日の、いわば小康状態に至っています。

7-9月というのは、あの巨大だった感染第5波の影響を最も受けた時期でした。GDP統計にもその爪痕ははっきりと残っています。

マスコミが報じていますように7-9月期は前期比0.8%のマイナスで、これは年率に換算すれば3%のマイナスです。数字は実質値です。以下の数字も同じです。

ここでは、少し長い目で、2019年と2020年、そして今年と見てみます。

2019年は、景気としては下り坂でしたが、まだコロナの影響はない時期です。
コロナで大幅な落ち込みが始まったのはこの2019年の4-6月で、前年同期比7.2%の落ち込み、続く7-9月は、同5.5%と連続大幅落ち込みです。

2020年の4月、5月は、第1回の緊急事態宣言で、6月には解除になって、政府も経済の落ち込みを心配して、GoToキャンペーンなども始めましたが国民は慎重でした。
当然その後も低空飛行でしたが、今年の4-6月期に至り、突如前年同期比7.6%のプラスになりました。

これは昨年の4月、5月が初めての緊急事態宣言で前年比7.2%の急減時期との比較でsから、大幅には見えますが、7.2%減って、7.6%増えても、正確に計算すれば、それでも2019年の水準には1.5%程追いついていません。

では今年の7-9月はどうかといいますと、昨年は一昨年に比べて5.5%の落ち込みですから一昨年を100とすれば94.5です。それに比べて1.4%しか増えていないのですから掛け算をすれば、2年前(コロナ前)の7-9月の水準の、95.8%ということになります。

こうしてみますと、経済がコロナ前に戻るのは容易でないように思ってしまいます。

しかし、10月11月になって、有難い事に新規感染者数は順調に減り、昨今は1日200人レベル、新規感染者の出ない県の方が多いといった状況になりました。

専門家の先生方も、なぜこんなに改善したのか解らいといわれるほどで、政府もこれに気をよくして、規制の緩和も進め、経済活動の活発化の方向に慎重に舵を切り始めています。今や、最重要の経済の「先行指標」はコロナの新規感染者数の行方でしょう。

このまま順調にいけば次回の10-12月期か来年1-3月期には「コロナ前水準を回復」という事になるのではないかと言えそうですが。さて、どうなるでしょうか。

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