あらためて、こんな問題は余り論じたくない事ですが、「政治に金がかかる」というのはどういう事でしょうか。
政治というのは「その国を経営する」ということだと思うのですが、それは国にとって最も大事なことです。国にとって最も大事なことと言っても、国というのは国民の集合体ですから、それは、国民全体にとって、国民全体が、それぞれに、平和の中で、豊かで快適な生活が出来るように、中央から地方まで全ての国民にそれを保障しなければなりません。
活動の内容というのは、国のすべての運営のルールを作る事。これは国会から地方議会の仕事でしょう。そしてそれを確りと運営、運用しなければなりません。海外と関わる外交や防衛という仕事もあります。こうした、立法、行政、国民の意思や社会正義の貫徹に叶うものとの判断をする司法もあります。
そしてそのためには国民全体の2割ほどの人間が働いているのが現状でしょう。これは巨大なザービス業です。
国全体の国民に対するするサービスのすべてが政治というならば、そのコスト全てを負担するのは当然国民で、その形は税金と社会保険料です。その合計は「国民負担」と呼ばれ、国民所得に対する国民負担率の割合が「国民負担率」です。
この国民負担率は、国民の必要とする政府の活動分野の拡大もあって、ほぼ50%に達しています。国債発行という国民からの借金でのサービス提供も入れれば約6割です。巨大なカネですが、国民がきちんと払っています。
この中には「政党交付金」という「政党の政治活動の健全な発達の促進および公正の確保」のための交付金もあります。(それでは足りないというのが裏金問題です)
ここでいう政党の「政治活動」というのは解り易く言えば「党勢の拡大」、つまり選挙地盤の整備、はっきり言えば「選挙活動資金」という事のようです。
つまり、「政治に金がかかる」というのは、選挙活動に金がかかるという事で、これは選挙がカネで動くということの証明のようなものと誰もが感じる所でしょう。
こういう流れで見ていますと、自民党が今やっている事は、次の「選挙のための資金」を何とか確保して、落ち目の支持率を金の力で挽回し、次の選挙で勝ってなんとか政権党という立場を確保したいという事なのかという筋道が見えてくるような気がします。
更にそれを延長しましと、自民党は、選挙はカネで動くものという明確な意識を持っているという事で、それは選挙民の意識はその程度で、カネで動くものと考えている事、今迄選挙民はそうだったという経験の結果ということになるのでしょうか。
最近の政党支持率の動きを見ていますと、未だ自民党支持率は高いですから、自民党の理解は正確ということかもしれませんが、今迄の投票率は50%ほどですから、残りの「有権者の半分近く」が本気になれば、これからは日本の選挙はカネを出しても役に立たない選挙、結果的に「政治(選挙)にはカネがかからない」と言われるようになるのではないでしょうか。
その時初めて日本の選挙は民主主義に大切な「本来の選挙」になるのではないでしょうか。