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「口は重宝」、「嘘も方便」:日本にはいい諺が

2019年06月11日 23時53分26秒 | 政治
「口は重宝」、「嘘も方便」:日本にはいい諺が
 このブログでの5月23日に取り上げた金融庁の「高齢社会における資産形成・管理」報告書が国会で問題になってしまいました。今日、麻生さんは、受け取りを拒否したようです。

 事の起こりは安倍総理が、参院決算委で、この報告書は「不正確で誤解を与えた」と発言してからでしょうか。
 しかし、専門家を含めて、より多くの意見は、「年金の当面する現実を率直に書いている」というもののようですし、私もそう思います。
 5月22日「案」が新聞発表になった時、近づくG20を控えて、高齢化先進国日本が、高齢化に悩む世界の国々の問題整理をリードするためにも、5月中にまとめると解説されていました。

 その趣旨から考えれば、年金にとって高齢化は大変な問題です、対策や解決策は容易でないですよ、問題に直面している日本はこんな事まで考えています、という筋になるのが当然で、現実に、国がすべて面倒を見るのは不可能になりますから、多様な方法を検討しなければならないでしょう、という筋立てになって当然でしょう。

 しかし考えてみれば、これは、今まで国内で言ってきた「年金は大丈夫」という政府の主張とは相容れないことは明らかです。
 当然、野党は「そこ」を突くでしょう。

 そこで「安倍さんの「不正確で誤解を与えた」という発言になるわけですが、「何が不正確で、どういいう誤解を与えたのか」の説明はありません。
 
 多くの人は、報告書の方が真実に近く正解で「日本の年金は安全です」という方が国民に誤解を与えていると率直に思っているでしょう。政府の政策も、よく見れば、その方向で動いています。
 「口は重宝」で、その場を言い逃れればあとは有耶無耶ということも多いようです。

 安倍さんは 消費増税を延期した際 に、「2020年のプライマリー・バランスの達成には関係ありません」といっていました。あとから達成は反故になりました。「嘘も方便」という所でしょう。財政問題は、年金とも深い関係を持つ問題でしょう。

 麻生さんは、「報告書は受け取らない」といいますが、自らが責任を持つ、大変な頭脳と時間と労力をかけた報告書です。当然逐次報告を受けていたはずです。土壇場で受け取らないといえばそれで済むことでしょうか。
 TVでご本人を見れば、「受け取らない」といえば、それで済むような様子で笑っておられました。これで済めば「口は重宝」そのものでしょう。

 これからの年金問題は本当に大変でしょう。そして、いつかは現実になって表に出てくるでしょう。
 この問題の解決は、何時も触れていますように、GNI:国民総所得の配分を税制も含め、根本から考えなければならない(パッチワークでは不可能な)問題でしょう。
 そして当然与党だけでなく、野党を含め、国民全体本気で考えなければならない問題でしょう。

 相手を言いくるめればそれで勝ち、といった国会論議はもう聞きたくないですね。国民のための論議をお願いします。

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