tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

国連中心主義に立ち帰れ

2021年10月07日 20時53分52秒 | 国際政治
第二次大戦後、アメリカはこんな戦争がもう起きないという世の中にしようと思ったのでしょう。国際連盟を国際連合に改組し、国連本部もスイスのジュネーブではなくニューヨークに定め、新しい平和な世界を目指したのではないでしょうか。

そして平和な世界実現には、第二次大戦を起こした日本、ドイツ、イタリーといった好戦的な国が、もう戦争をしようと思わないようにという事でしょうか、第二次世界大戦の戦勝国である、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の5か国と図って、この5か国を常任理事国に据えました。そして(アメリカだけが持つわけにはいかないと思ったからでしょうか)この5か国すべてが拒否権を持つことにしました。

しかし、世界史はどんどん動きます、好戦的とされた枢軸国は皆、軍国主義、独裁主義とは縁を切り、立派な民主主義国に生まれ変わり、世界平和を望む国になりました。

一方、戦勝国であった5か国のうち、ソ連、今はロシアと中国が実質的な独裁国として、独裁国の特徴である領土の拡張や、他国を威圧するための軍備の増強に力を入れているといった状態になって来てしまっているのです。

国連の中枢機能を持つのは常任理事会でしょうが、常任理事会を構成する5か国が、皆領土的野心などを持たず、世界平和を愛好する国であれば、国連は素晴らしい組織として、世界人類は平和で繁栄する明日を目指して安心してそれぞれの国の建設や発展にに励むことが出来、もし、それが上手くいかない場合には、国連の指導、援助が為されるといった人類社会が望む世界になっているはずです。

しかし残念ながら現状ではそれは夢物語です。ウクライナのクリミヤ半島問題でも、ミャンマーの問題でも、アフガ二スタンの新しい国づくりでも、更には、南シナ海の問題でも、香港や台湾の問題でも、未だに実質独裁国である2つの国は、他の3か国とは意見が食い違い、拒否権の応酬で、話がまとまることはないようです。

結果的に、折角の国連組織は、世界の重要な問題の解決にほとんど機能せず、世界から、国連頼むに足らずとの評価に堕して出しているのではないでしょうか。

しかし、人類社会の将来を考えれば、国連が人類社会の役に立つ組織でなければならないというのは殆ど共通の意見ではないでしょうか。

ところで、私の認識では、日本は戦後一貫して「国連中心主義」を標榜して来ていると思っています。長らく常任理事国入りを望んで、願いは叶わない 日本ですが、真に国連中心主義を目指すならば、いかに困難で無理と思われても、国連そのものを民主主義がルールとして貫徹する組織になる事を目指して休みなく努力を続けることが重要ではないでしょうか。

国連の機能不全の原因である常任理事会の機能不全、これを直すのは常任理事会自体の問題か、国連そのもの、国連全体の問題か、認識は多様でしょう、しかし、いつの日かそれを克服して国連が世界人類の役に立つ組織になることを目指して、「愚公山を移す」ような明確な目的を持った、たゆみない努力の継続が日本の役割と考えてもいいのではないでしょうか。






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