tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

規制とルール

2009年09月19日 09時57分15秒 | 社会
規制とルール
 前々回、規制について書かせていただきました。その中でも、規制は善とか規制は悪とかいった二元論は、人間社会には不適切で、世の中凡て「適切な規制」という バランス感覚が必要という趣旨で書いたつもりです。

 規制といいう言葉はいわば考え方を示すもので、それが具体的に形になったものがルール(規則)ということでしょうから、今回は規制とルールということにしました。

 ところで、規制の効用の具体的かつ典型的な例といえば、交通規制でしょう。スピード制限は守らない人も多くて、この道路は40キロが良いのか50キロがいいのか論議もあるでしょうが、制限速度(規制)が必要なことは誰でも認めるでしょう。

 もっとはっきりしているのは交通信号です。赤、黄、青の信号があるからこそ、交通はスムーズに流れるのです。混雑する交差点で信号がなかったらどうなるかと考えてみれば、規制(信号)があった方がずっと走りやすいことは明らかでしょう。規制が自由を生むともいえましょう

 規制が適切だから世の中うまくいくというのはスポーツにおいて典型的です。
 野球の場合を考えて見ましょう。三振とフォアボールというのは、本当にうまくできていると思います。二振とスリーボールでも、四振とファイブボールでも野球の面白さは半減するでしょう。

 つまりこれは、野球というゲームの焦点にある投手と打者が、それぞれの腕前を最も高度に発揮しようという気になるルール設定になっているということではないでしょうか。
 
  つまり、ルールが良ければ、選手はより努力し観客はより楽しめるスポーツになるということでしょう。規制のあり方について、人間の知恵の出しどころは、どんなルールを作れば、人間が最も(良い社会を目指して)努力するような動機付けになるかという点でしょう。
 
 その意味では、規制(その具体的な形であるルール)は、出来るだけみんなが納得できるようなものを決めて、あまり頻繁に変えないことです。昔から朝令暮改は悪いやり方の例えです。
 
 もっと悪いのは、一部の人に都合の良いようなルールを考えることです。これはそれ以外の人たちのやる気をなくし、社会や人心を分断して、社会を混乱に陥れます。

 もうひとつ。ルールに完璧なものはありません。ルールの中での活動の仕方について、人間が知恵を働かせることが大事です。直進優先の青信号の中でも、状況によっては、ライト点滅で右折しなさいと合図するようなルールと知恵の組み合わせがうまく出来れば、世の中は大変良くなるということではないでしょうか。


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