報道によりますと、今年は経団連も企業が賃上げに積極的になった方は良いという態度を取っているようです。
戦後ずっと賃上げ抑制の主張ばかりしてきていた経営者側から、賃上げに積極的な意見というのは理解できないという感じも強いかと思いますが、どうも、賃金は抑えれば良いと言うだけのものではないようです。
このブログでは先日「為替レートと賃金決定(試論)」を書いていますが、賃金というものは、もともと経済情勢や経営状態に応じて判断すべきもので、単純に「上げればいい」とか「抑えればいい」といったものではないはずです。
また、このブログでは「人件費支払能力」についての真面目な分析も取り上げて来ていますが、視点は、経済や企業の成長発展に整合した賃上げの在り方を検討するものです。
こうした賃金決定に関する具体的な理論は、個別の企業の実態に即したものから一国経済の人件費支払能力まで考えられるわけですが、先に「試論」で検討してのは為替レートの変動と賃金決定という新しい視点です。
端的に我々の経験した具体例から見れば、日本は1985年にプラザ合意(G5)の経済政策協議の場で円高を容認してしまい、その結果その後2年で為替レートが2倍になるという経験をしています。
その結果はと言いますと、日本のすべての賃金と物価が、国際的には、つまり「ドル建てでは」2倍になるという事態になリ、日本は世界一賃金も物価も高い国になりました。
これでは日本経済はやっていけませんから、その後十数年かけて、賃金と物価を下げるという長期のデフレ不況に苦しみました。
やっと、物価も賃金も、国際的にみてそれほど高くなくなったかなという頃、2008年にリーマンショックが来て、また5割ほどの円高になり、日本経済と国民生活は不況のどん底に低迷しました。
この時は日本はもう気力も体力の尽き果て、非正規労働を増やして平均賃金を下げ、研究開発や人的資源への投資もやめジリ貧を放置するだけになったようです。
アメリカもとうとう見かねて、円安にすることを認め2013~14年、日銀が異次元金融緩和をやって円レートを漸く1ドル120円に戻し、長期の円高不況から脱出しました。
この経験で学んだことは、正常な為替レートより円高になれば、日本はその分コストと物価を下げなければならなくなり不況になるという事です。
それならば、気付くことは、「円安になったら賃金も物価も上げてもいいのではないか」あるいは「上げなければいけないのではないか」という、丁度逆のケースでの考え方があってしかるべきではないかという事です。
もしあるとすれば、この問題を、労使間の賃金交渉場で考慮すべき要素として取り入れなければならないという事になります。
とという事で、今年は為替の動きから見ても少し賃上げをした方がいいという事になります。
この考え方に合理性があるか、合理性があるならば必要性のあるはずですので、そのあたりの理論立てなどについて、少し検討してみたいと思っています。
戦後ずっと賃上げ抑制の主張ばかりしてきていた経営者側から、賃上げに積極的な意見というのは理解できないという感じも強いかと思いますが、どうも、賃金は抑えれば良いと言うだけのものではないようです。
このブログでは先日「為替レートと賃金決定(試論)」を書いていますが、賃金というものは、もともと経済情勢や経営状態に応じて判断すべきもので、単純に「上げればいい」とか「抑えればいい」といったものではないはずです。
また、このブログでは「人件費支払能力」についての真面目な分析も取り上げて来ていますが、視点は、経済や企業の成長発展に整合した賃上げの在り方を検討するものです。
こうした賃金決定に関する具体的な理論は、個別の企業の実態に即したものから一国経済の人件費支払能力まで考えられるわけですが、先に「試論」で検討してのは為替レートの変動と賃金決定という新しい視点です。
端的に我々の経験した具体例から見れば、日本は1985年にプラザ合意(G5)の経済政策協議の場で円高を容認してしまい、その結果その後2年で為替レートが2倍になるという経験をしています。
その結果はと言いますと、日本のすべての賃金と物価が、国際的には、つまり「ドル建てでは」2倍になるという事態になリ、日本は世界一賃金も物価も高い国になりました。
これでは日本経済はやっていけませんから、その後十数年かけて、賃金と物価を下げるという長期のデフレ不況に苦しみました。
やっと、物価も賃金も、国際的にみてそれほど高くなくなったかなという頃、2008年にリーマンショックが来て、また5割ほどの円高になり、日本経済と国民生活は不況のどん底に低迷しました。
この時は日本はもう気力も体力の尽き果て、非正規労働を増やして平均賃金を下げ、研究開発や人的資源への投資もやめジリ貧を放置するだけになったようです。
アメリカもとうとう見かねて、円安にすることを認め2013~14年、日銀が異次元金融緩和をやって円レートを漸く1ドル120円に戻し、長期の円高不況から脱出しました。
この経験で学んだことは、正常な為替レートより円高になれば、日本はその分コストと物価を下げなければならなくなり不況になるという事です。
それならば、気付くことは、「円安になったら賃金も物価も上げてもいいのではないか」あるいは「上げなければいけないのではないか」という、丁度逆のケースでの考え方があってしかるべきではないかという事です。
もしあるとすれば、この問題を、労使間の賃金交渉場で考慮すべき要素として取り入れなければならないという事になります。
とという事で、今年は為替の動きから見ても少し賃上げをした方がいいという事になります。
この考え方に合理性があるか、合理性があるならば必要性のあるはずですので、そのあたりの理論立てなどについて、少し検討してみたいと思っています。