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労使の主体性奪回に期待:労働時間問題が契機!

2017年03月10日 11時32分59秒 | 労働
労使の主体性奪回に期待:労働時間問題が契機!
 政府の推進したい働き方改革は、すでにこのブログでも論じて来ましたように、 大変問題が多いものですから、今後も労使間の賢明な話し合いが必須だろうと思っています。いずれにしても、労働問題は全て労使間の問題なのです。

 改革の皮切りになったのは労働時間問題です。残業規制、インターバル問題などですが、残業の上限規制については、労使の話し合いはかなり煮詰まってきたようです。
 報道によれば、月平均60時間、繁忙期の上限特例は100時間という所に収斂しているようですが、経団連100時間に対し、連合は100時間未満でさらに話し合いという事のようです。

 常識的に見れば、連合が100時間レベルまでよく妥協したという事でしょう。企業の現場で考えても、如何に繁忙とはいえ、1か月100時間の残業を回避する雇用・人事管理の方策などは管理者が知恵を絞れば不可能などということはあり得ないはずです。
 まさに長時間労働は、経営者、管理者の能力が問われる問題ですから、経営側が恥を晒していることにもなるのではないでしょうか。

 36協定を結んでいない企業が大企業でも6%、中小企業では50%超という統計がありますが、これで残業をさせたら違法だと知ってでしょうか。
 失われた20年の中で労使ともに経営者・管理者教育、従業員教育がなおざりにされたためでしょうか、労働基準法を知らないでは、まともな労使関係は成り立ちません。

 高度成長期には、小さな職場でも、36協定拒否が従業員の経営への対抗手段として生きていました。その評価は別として、現状は労使はともに恥ずべき状態ではないでしょうか。

 労働時間問題はこれから、労使のトップ同士で詰めるという事のようですが、これを契機にして、労使が真剣に企業における人間と労働の問題、労使関係、労働問題について、相互に理解を進め、深く考え、的確に行動出来るような、信頼関係の深化が必要でしょう。

 企業という組織の 主人公は資本ではなく人間です。かつて日本の労使関係は、相互信頼に基づく労使関係の見本として、世界から評価されていました。
 今また人手不足、雇用逼迫の状況の中で、いかに効率的な、生産性の高い職場を実現するかは、経営管理者と働く人たちの相互信頼に基づいた知恵と行動と協力体制に頼る以外にありません。

 労使が確り取り組まないから政府が口出しするのでしょうか。政府には、生きた企業の現場の知恵はありまあせん。
 今回の問題を契機に、労使は労働問題、労使関係におけるその主体性を確りと取り戻してほしいと強く感じています。労働問題、労使関係については、 政府はあくまで第三者でしかないのです。

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