tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

金融機関の整理統合と人員削減

2017年11月13日 23時22分22秒 | 労働
金融機関の整理統合と人員削減
 史上最高水準と言われる有効求人倍率が続く中で、金融機関の整理統合、雇用人員削減のニュースがマスコミに取り上げられています。

 嘗ては、銀行の数も多く、都市のメインストリートの四つ角の三方は銀行が当たり前、などと言われた時代もありました。
 しかし、今ではメガバンクは3行に集約され、地方銀行、中小金融機関も統合再編の真っ最中です。

 そうした中で、メガバンクの人員削減計画のニュースが飛び込んできました。
 さきに三菱UFJが10年ほどかけて1万人の削減と報道されましたが、今度はみずほも数年かけて1.9万人削減と報道されています。

 ゼロ・マイナス金利、の長期化で、銀行の収益は逓減傾向にあり、銀行だけが、デフレの後遺症から抜けられないような状態(「 デフレ3悪」参照)が続く中で、銀行としても苦渋の決断でしょう。

 しかし、問題は金利だけではないようです。金融は益々ネットの世界の仕事になり、金利に代わる収入源の手数料収入も減ることが確実視されています。まさにネットが人間に代わって仕事をこなすフィンテックの時代に入りつつあるのです。

 前書きが長くなりましたが、ここで論じようとしたのは「雇用問題」です。
 こうした産業構造の変化による雇用問題は、かつてもありました、典型的なのは「石炭から石油へ」の転換の時でした。

 産炭地の急激な衰退、炭鉱労働者の離職、この問題対応のため政府は雇用促進事業団を作り雇用の安定、労働移動のための雇用促進住宅を始め多様な対策をしています。
 当時は日本経済の高度成長期だったことが幸いし、「炭鉱からガソリンスタンドへ来たけれど、こちらの方が仕事は楽でいい」などと言う話もあったようです。

 雇用促進事業団の活動は今も雇用保険2事業として残っていますし、同時にその後労使の発案により「失業無き労働移動」を目的に「産業雇用安定センター」も設立され活動しています。

 金融機関は従来から取引先企業との関連が密で、そうしてところへの人材供給が多くみられますし、今回の人員削減も、メガバンクでは、退職者不補充などで、直接の人員削減しない方針とのことです。今は高度成長期ではありませんが、幸運なことに、人手不足の時期です。

 金融機関の自助能力に加えて、こうした政府、労使の用意した「失業なき労働移動を促進する機関」との協力も加え、もともと優れた人材を集めている金融機関です、日本の雇用配置のより高度化に役立つような、人材供給に巧くつなげていってほしいものだと思うところです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿