tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

理解不能?トランプ大統領の頭の中

2019年08月21日 17時36分21秒 | 国際政治
理解不能?トランプ大統領の頭の中
 またトランプ大統領が変わった事を言いだしました。 「グリーンランドを買いたい」といったようです。

 トランプさんはもともと不動産屋だから、土地と資源欲しさに冗談を言ったのかと思いましたが、この話を聞いた、デンマークのフレデリクセン首相から、「馬鹿げている」と言われたとかで、忽ちお臍を曲げたようです。

 グリーンランドは、人口わずか5万6千人ですが、デンマークの中で高度な自治権を認められていて、EU脱退なども自治政府が決めています。
 今の世の中で、誰が考えても不動産取引の材料になるなどという発想は生まれないはずですが、さすがはトランプさんですね。

 しかしこのやり取りの結果、フレデリクセン首相が話し合いをするつもりがないのなら9月2にからのデンマーク女王招待のデンマーク訪問は「また別の機会に延期する」と説明をしたということです。

 トランプさんの頭の中は、国際関係も不動産取引と同じで、領土の買収も企業のM&Aと同じだということになっているのでしょうか。

 かつてアメリカは、19世紀初頭、フランスのナポレオンからルイジアナを買い、その後の西部開拓で(西部劇というおまけもついて)西海岸までが今のようにアメリカになったようですし、19世紀中葉には、ロシアのロマノフ王朝からアラスカを買ったわけですから、その伝で行けば、グリーンランドを買いたいといっても、おかしくないのかもしれませんが、世界の常識とはかなりかけ離れているようです。

 目的は、版図の拡大、資源の確保、それらによる地政学的な優位性の確保という事でしょうか。

 しかし今の世界は国連という地球人類全体をカバーする組織もでき、核兵器の開発で、世界戦争は不可能といった世の中になっています。
(まさかアメリカは第三次世界大戦を考えているのではないでしょうから)
アメリカだけが版図を広げ、資源を持っても、それで「偉大なるアメリカ」が実現するとは考えられない時代になっているのです。

 広大な領土の経営には巨大なコストがかかりますし、資源は経済力さえあれば買える世の中です。戦後の日本の経済発展がそれを実証しています。逆に今のアメリカはシェールガス・オイルで世界一の産油国になっても、経済活動の結果は万年赤字国です。

 それを挽回しようということで領土と資源を求めるのであれば、それはまさに19世紀の知恵でしかないのでしょう。
 アメリカが何処まで堕ちるか、アメリカの擁する優れた頭脳は、一体今何をしているのでしょうか、アメリカ自体が本格的に自らを再検討しないと、とんだことになりかねないようい思う所です。