tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

人の噂も75日、戦争の記憶は・・・?

2019年08月03日 15時35分37秒 | 国際関係
人の噂も75日、戦争の記憶は・・・?
 TVの報道で、台湾の蔡英文総統が対中国問題について真剣に話すのを聞きました。その中で、さすがと思う発言がありました。
「挑発しないことです」という発言です。大きな中国、小さな台湾、という状況の中で、これは究極の知恵でしょう。

今の世の中、大きなアメリカは大きな中国に対して挑発を試みているようです(なぜか北朝鮮に対しては違いますね)。背後に「未だアメリカの力の方が大きい」という意識があるように感じられます。

 世界最強国という意識からでしょうか、TPP交渉から離脱、エルサレムへの大使館移転、イラン核合意から離脱、イランへの経済制裁などなど、国連決議を無視したり盾にしたり使い分けながら、挑発と見られるような行動が最近とみに多いようようです。

 まさか日本はそうしたことはやらないと思っていましたが、今回の対韓国への措置は、どう見ても挑発的です。
 こちらが挑発ではないとっても、相手が挑発だと受け止めるのが挑発なのです。

 しかも、その後の韓国との対話は「対話」ではなく自分を主張するだけの「相対発言」に終始しているようです。
 日本政府は「先にトラブルの種を作ったのは韓国だ」と言いたいのでしょうか。しかし、結果は全く同じレベルでの「トラブルメーカー同士の関係」に成り下がっています。
 昔から「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」と言いますが、アメリカも含めて多くの海外諸国や識者達は、あきれて、仲介にも二の足、「当事者同士でどうぞ」と言っているようです。

 このままでは決して解決にはたどり着けません。最後は「力で」という最も野蛮なことになるのでしょうか。
 日本政府は、自分の理屈を言うだけではなく、この際、国際的なトラブルの「力によらない」解決方法を、勉強するチャンスと考えたらいかがでしょうか。

  結局は誰か(どちらか)がトラブルシューターにならなければならないのです。
第二次大戦で国際トラブルの嵩じた先は「破局=破壊」、という事を、原爆まで落とされ、(戦争による解決とは如何なるものかを)悲惨な実体験で知った日本です。
しかし今の日本はそれを忘れかけているのでしょうか。

建設が好きで、破壊が嫌いだった田中角栄は、 田中角栄語録の中で
「戦争を知っているやつが世の中の中心である限り、日本は安全だ。戦争を知らないやつが出てきて、日本の中核になったとき、怖いなあ。」と言っています。

 今の日本は、多分率先して戦争はしないでしょうが、アメリカに付いて戦争することになるのではないかと心配する人が多くなっています。

 折しも、来年は、終戦の年1945年から75年めです。
 もともと日本人は忘れやすいのでしょうか、昔から「人の噂も75日」等と言われます。1日と1年は違いますが、「戦争の記憶も75年」などという事にならないように、くれぐれも願いたいものです。