tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

中国は変わるか

2019年04月04日 23時26分29秒 | 国際関係
中国は変わるか
 習近平さんが、巨大な中国の代表として終身君臨することが決まりましたが、習近平さんはいったいどんな中国を作ろうとしているのでしょうか。
 もちろん我々に、習近平さんの心の内がわかる訳はありませんが、中国として目指している一帯一路、の展開状況、また、まさに進行中の米中貿易交渉においても、多くの問題が解決されなければならないようです。

 米中交渉では、現状、表面的には中国の柔軟な姿勢も目立ちます。米国からの輸入を、特に農産物の輸入などを大幅に増やす意向を示しています。
 かなりの無理筋を押し付けようとするアメリカに対して、より大人の態度で、できるだけ譲歩しながら、穏やかにwin=winの関係にもっていこうとしているように思えます。

 知的財産権の問題についても、確かに遅れている中国ですが、このところ国内でも厳しい取り締まりが行われている様子が報道されていますし、巨大で多様な国ですから苦労しながら、近代化を進めているように見受けられます。

 しかし、多分中国はそんなに大人しい国ではないのでしょう。南沙諸島では東南アジアの国々と、また日本とは東シナ海の油田や尖閣諸島の問題で、自己主張の強引さも目立ちます。

 識者の多くは、米中の覇権争いを指摘していますが、それは多分、歴史の必然なのでしょう。
 アメリカは、かつての強くて寛容な覇権国から、ニクソンショックを経て、典型的にはリーマンショックのように世界に迷惑をかける覇権国に成り下がってきています。
 トランプさんは覇権国の義務は果たさず、権力には固執するようなアメリカを印象付けています。

 一方で、中国が覇権国を目指すとすれば、覇権国として、巨大な負担をしなければならないということに気づくべきでしょう。
 例えば、一帯一路を推進することは、中国にとって巨大なビジネスチャンスと利益をもたらすのではなく、経済成長の恩恵に浴するのはまず中国の相手国でしょう。
中国にとっては、まず大きな持ち出しになり、それを回収するには超長期の期間がかかり、決して思うような有利な仕事ではないというのが現実でしょう。

 覇権国というのは、権威や名誉はあるかもしれませんが、経済的には決して有利なものではないというのがこれまでの現実ではないでしょうか。
 中国はトータルで見れば、まだまだ貧しい国です。コストのかかる覇権国の役割を果たすのには一人当たり国民所得が世界のトップクラスになることが必要なように思われます。
 覇権国であることは経済的にプラスと見ているとすれば、それは忽ち行き詰まるでしょう。そんな兆候はすでに見えているように思います。

 習近平さんの中国が、どんな理念を掲げているのか、未だ良くわかりませんが、本当に世界のためになる中国を目指しているとすれば、中国は変わらなければなないし、世界の関係する国々も、そう望んでいるのではないでしょうか。