tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

“休まない 人が支える 10連休”

2019年04月27日 21時33分01秒 | 労働
“休まない 人が支える 10連休”
 何処かでこんな川柳を見たような気がしますが、今日から待望の10連休です。テレビは空港や新幹線のターミナルで、荷物のカートを押したり引いたりの家族連れや友達同士などの楽しそうな顔を映し出しています。

 毎日が日曜日の高齢者にとっては、特に変りもなく、あっという間の10日間かもしれませんが、この機会が、一生の思い出になるような人たちも沢山いるでしょう。
 やっぱり休みはあった方がいいし、時には少し長めの休みもあった方がいいですね。

 しかし、表題の川柳のように、休む人たちが楽しめるのは、休まない人たちが働いていてくれるからなのです。
 
 昔から「駕籠に乗る人 担ぐ人 そのまた草鞋を 作る人」などと言いますが、これはいろいろな仕事が支えあって社会が成立しているという事を、解りやすく教えたものでしょう。 
 これが「仕事の分担」だとすれば、表題の川柳は、「時間の分担」という事になるのでしょうか。
 
 仕事の分担にしても、時間の分担にしても、働く人々は多様な分担・依存関係を持ちながら、上手に支えあって社会の安定した活動の継続を実現しているのでしょう。

 この10連休中を、交通インフラ、レジャー施設の現場、グルメの食欲を満たすホテル・レストラン等々で働く方々も、お客の多さを張り合いに、10連休のチャンスを成果として生かそうと仕事を頑張るというのが最もいい形でしょう。

 10連休をレジャーで楽しむ人も、その人たちが楽しむ場を仕事で支えている人たちも、年間労働時間でみれは同じようなものであることが「支えあい」の納得性を作り出しているのでないでしょうか。

 働き方改革が騒々しくなってきていますが、そうした意識と現実がが一般的になれば、国レベルでも、企業レベルでも、職場レベルでも、バランスの取れた支えあいという形で、自己都合の10連休が楽しめるという事になるのでしょう。

 また。国際的に見れば、ゴールデン・ウィーク、夏休み、シルバー・ウィーク、年末年始という日本型の定番の休暇/レジャー方式も、夏休み1か月というヨーロッパ方式も、違いはありますが、それぞれに、季節あり方や夏冬の日照時間といった自然の環境の中から生まれてきた文化を背景にしたものでしょう。
 ワーク・ライフ・バランスという点から見ても、社会の伝統文化と人それぞれの考え方を生かしながら、個々人の自主性を中心に、意識的には納得性のない格差が存在するなどとは感じられないような形の在り方が、制度的にも、慣習的にも出来上がっていくことが最も望ましいのではないでしょうか。