tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日ロ首脳会談の不毛

2019年01月23日 23時57分02秒 | 国際関係
日ロ首脳会談の不毛
 昨1月22日に行われた安倍・プーチン会談は25回目だそうですが、両首脳がにこやかに握手したテレビの画面とはうらはらに、結果は、新しい進展は見られなかったという事のようです。報道も少しですね。
 それだけではなく、北方4島の問題の膠着状態は一層ひどくなりそうな感じです。

 会談終了後の共同記者会見で、安倍首相は「私とプーチン大統領のリーダシップで、相互に受け入れが可能な解決策を力強く進めていく決意を確認した」と言いましたが、プーチン大統領の方は、これから多くの困難な問題があるといったようです。

 前回、プーチン大統領が、「まず平和条約を結ぼう、そうすれば問題解決はスムーズになる」という趣旨の思い付きを言った雰囲気とは全く違って、北方4島についてはほとんど触れられなかったという事のようで、日本にとっては「新規蒔き直し」といった所になってしまったようです。

 すでにこのブログで触れましたように、財政不如意のロシアは国後・択捉などの開発促進の経済的負担はかなりの重荷でしょう。
 なんとか経済協力、共同事業といった形で日本からカネを引き出したいと考えるのは当然です。
 しかし2島でも返還となれば、足元のデモはどうなるじゃわかりませんし、また、当然のこととして、返還すれば、日本としては、アメリカが基地を作るといった時「断れない」という判断をしているでしょう。現実に辺野古問題を目の当たりですから。

 相手は、クリミヤの併合を平気でやってのけるし、政敵は徹底して封じ込める現政権のロシアです。日本の常識や誠実さが通用するかどうかはかなり疑問です。
 経済協力プランや民間の共同プロジェクトはロシア側が喉から手が出るほど欲しいのでしょうから、日本側がOKすれば進むでしょう。

 しかしそれが北方領土問題の解決につながるかどうかは予想の外の問題ではないでしょうか。
 すでに安倍政権は歯舞・色丹の2島返還でという意向を持っていると思えるような様子も見られますが、「二島を追うものは1島も得ず」などと茶化す意見もあるようです。

 最近の状況を見ますと拉致問題にしても進展は見られませんし、中国や韓国との関係も何か以前よりこじれることが多いように感じます。
 経済協力で相手に喜ばれることはあまり難しくはないようですが、相手の行動を正そうといった外交交渉になると、そこまでの外交力、交渉力は、どうも日本は不得手なようです。かといって自衛力を増強すれば、その力が付くという事でもないようです。

 やはり日本は、経済や技術や文化といった自身の得意技に磨きをかけ、世界に貢献することによって、立派な国として認められるといった地味ですが本当は一番大事という行き方が合っているようい感じられますが、それでは損ばかりでしょうか。