tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

仮想通貨のつかいみち

2018年02月11日 12時38分05秒 | 社会
仮想通貨のつかいみち
 マウントゴックスに続いて、今度はコインチェックの事件が発生し、仮想通貨の闇はますます深くなるようです。

  ビットコイン雑感でも書きしたが、仮想通貨なるものが、いったい何に使われるのかという問題が、今に至る何も整理されていないような気がします。

 マウントゴックスのCEOは堂々としていて、会社更生法でなく民事再生法で再建を図るという事のようでしたが、その後ニュースもありませんから、私などには知る由もありません。

 ただ、ビットコインの値段が$100にもなったので(1年で10倍ほど)、十分再生は可能ではないかといった意見がどこかに出ていたのを見た覚えがあります。
 $100というので正直びっくりしていましたら、このニュースの影響でしょうか、そのすぐ後、$200にまで上がったようです。その後はいろいろあって大幅下落ですが、それでも$70~80でしょうか。

 こうした仮想通貨はブロックチェーンデータベースという技術で安定性を待つことが出来るという理論のようですが、それ自体は「金」に似た安定性を持つとしても、現実には、一般的に利用される各国通貨との交換比率が異常な変動をすることは避けられませんから、(決済が簡単だからなどと)現実のビジネスに活用されることは恐らく「無い」に近いのではないでしょうか。

 結局、仮想通貨の使い道は「投機対象」という事になってしまうという事は開発者のサトシ・ナカモト氏は知っていたのでしょうか。
 日本でも、若い人たちの投機の手段が主という事のようです。

 IMFや各国の通貨当局に相当する組織が無くて、健全に運用できる通貨という理想は、現状ではとても叶わない夢という事でしょう。
 ハッカーによる問題というのは、一般の通貨システムでも起きうる問題ですが、その防衛システムも、仮想通貨の場合、まだまだ弱いところも多いのでしょう。

 ギャンブルと割り切れば、面白い対象かもしれませんが、現状ではその域を抜けられないようです。
 将来は有効な通貨になりうるといった意見もあるようですが、そのためには、多くの社会ステムの進歩や技術開発のハードルがあるのでしょう。

 ますます経済のギャンブル化が進む今の世の中です。このままでは仮想通貨が本当に「通貨」の役割を果たすことは多分ないでしょう。
カジノでなくてもできる「何も実体のない」ギャンブルの対象に堕する、といった気がするのは私だけでしょうか。