tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

消費支出に関わる統計数字の動き

2017年09月29日 13時04分11秒 | 経済
消費支出に関わる統計数字の動き
 いよいよ選挙という事になりました。大きなニュースの陰に隠れてしまっていますが、例月通り、消費関連の統計の8月分が、今朝、発表になりました。

 今年の8月は、雇用や経済・景気は安定状態、日経平均も高値圏という、恵まれた環境でしたが、矢張り消費意欲はイマイチという感じのようです。

 まず、発表の消費者物価について見てみますと、消費者物価の基本的な動きを示す「生鮮食品とエネルギーを除く総合」は前年同月で0.2%の上昇でこの所の横ばいから、ほんの少しですが上昇の「気配?」が見えています。

 「生鮮食品を除く総合」とすべてを含む「総合」は、ともに0.7%の上昇で、前3か月の0.4%近辺から少し高めになっていますが、これはエネルギー価格の上昇によるところが主です。
 エネルギー価格は世界でだいたい同じ動きですから、日本としてはどういようもない問題ですし、11月にはガス代、電気代も少し下がるようです。

 結局、やっぱり日本経済自体としては物価がほとんど上がっていないというのが現状で、これを無理に2%まで上げようという政府・日銀の主張は、当分実現は困難でしょうし、実現すると消費者は困るでしょう。

 一方、「家計の収入・支出」の動向はどうなっているのかといいますと、同じく今日、家計調査の8月分が発表されています。それで見ますと、標準的とされる2人以上所帯の8月分の数字は、
 2人以上全所帯の消費支出は280,320円で、前年向月比1.4%増
 2人以上勤労者所帯の消費支出は301,574円で、前年同月比マイナス0.8%
となっていて、勤労者所帯の節約傾向が目立ちます。

 勤労者所帯については、収入サイドの数字も出ていて、
 2人以上勤労者所帯の「可処分所得(手取り収入)」は401,134円で対前年同月比1.6%増
です。

 手取り収入は増えていますが消費支出は減っています。その結果、平均消費性向は昨年8月の77.0%から75.2%に低下しています。消費意欲回復か、という期待はなかなか実現しません。
 8月は、森友、加計問題などで、政府への不信が高まり、結果、将来不安が高まったこともあるのでしょうか。
 
 こんな状況を見て来ますと、「これで消費者物価が2%も上がったらたまらない」とか、物価を上げるなら賃金が上がってからにしてくれ」とか、「国民の気持ちが明るくならないと消費も伸びないのではないか」とか、それなら、今度の選挙で、少しまともで明るい世の中にすることをしっかり考えなければ」・・・・、といったことになるのではないでしょうか。  やっぱり選挙は大事ですね。