tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

クロネコヤマト法人向け運賃に新方式

2017年09月27日 17時06分01秒 | 経営
クロネコヤマト法人向け運賃に新方式
 ヤマト運輸の労使関係に関わる問題については、過去にも何回か取り上げてきました。
 企業の労働時間制度や、長時間労働問題などについては、現実に多くの企業でいろいろな問題がありますが、このブログが、特にクロネコヤマトの問題を取り上げたというのは、特別の理由があるからです。

 それは、労働組合が、長時間労働の問題を、労使間の重要な問題として取り上げた際、労働組合が、あえて経営権に属する「荷受け制限」や「配送時間」にまで踏み込み、それに対して、企業側が「労使交渉の議題ではない」などといわず、真剣に問題を取り上げ、労使の話し合いの中で、自主的な解決を目指したという特異な春闘だったことです。

 今春のヤマトの労使交渉が解決した時には、今見てみましたら、その趣旨の事が、そのまま書かれていて、マスコミも、春闘妥結結果よりも、そちらに注目した記事がほとんどだった、となっていました。

  かつて日本の労使関係が世界の注目の的だった頃、労働組合は経営に対するチェック機能を持つ存在であるべきといわれ、労使関係の確りした会社では経営における誤りもない、などといわれたものです。

 過日も、「労使関係は夫婦関係のようなもの」という日本的経営の中でよく言われた言葉を紹介しましたが、ヤマト運輸の労使関係はやはり注目されてしかるべきでしょう。

 そのヤマト運輸が今回、法人向け運賃の決定に、雇用や賃金などの「経済指標連動」という考え方を導入するという事です。
 すでに労使協議会などで、十分論議されているようですが、社会インフラの重要な基盤を担うリーディング企業として、何らかの形で、客観性のある運賃決定をするといった考え方を導入するというのは、また画期的かと思います。

 賃金、物価、生産性といった問題には多様な見方があり、具体化への道は、結構厳しいかと思いますが、この新しいチャレンジ、興味深く見守りたいと思います。