tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

合計特殊出生率上昇続く

2016年05月24日 11時14分42秒 | 社会
合計特殊出生率上昇続く
 国際情勢、国内の社会・経済、問題ばかり多い状況ですが、昨日は我が国の将来にとって大変明るいニュースが飛び込んできました。
 合計特殊出生率の上昇が続き、2015年は、前年の1.42を0.04上回る1.46に上昇したというニュースです。

 ご承知のように、合計特殊出所率が2.0であれば、1人の女性が生涯に2人の子供を産むわけですから人口は静止状態という計算ですが、幼児死亡率等を考慮すれば、2.07が必要とのことです。

 日本は、1974年(2.05)迄ほぼ2.0を超えていましたが、その後じりじりと下がり続け、2005年には、いわゆる「1.26ショック」と言われた水準まで低下しましたが、その後上昇に転じています。

 出生率の変化は、学問的にも説明困難なもののようですが、今の社会では、人間が産むか生まないかを決めるのですから、その時の社会が如何なる状況や文化的様相のもとにあるかに影響されることは明らかでしょう。

 世界共通に見られることは、所得水準が上がってくると出生率は下がる傾向があるようです。子育てより自分の仕事に意義を見出す人が増えるからでしょうか。
 しかし、人間も動物の中の1つの種ですから、いつまでも減り続けることはないようで、どこかで種の保存の本能は生きているようです。

 社会そのものが出生率低下には(本能的に?)危機感を持ち、仕事に自己実現を感じつつも子育ても出来る社会の仕組みを工夫することも出生率回復を援助するようです。
 しかし、今でこそ出生率が2.0近傍に回復したフランスやスウェーデンでもそれには、紆余曲折、長い年月がかかっています。

 日本社会も基本的には同じプロセスをたどりつつあるようですが、未だもう少し頑張る時間が必要でしょうか。
 
 こうした大きな動きと同時に、子供を持つ親たちの住む時代が、将来に明るい豊かな希望を持てると感じられるかといった問題も、ある程度の影響力を持つように感じられます。
 スウェーデンやフランスの経済社会の動き、日本ではジャパンアズナンバーワンと言われた時代の合計特殊出生率などに見られるところです。

 何にしても、今回の合計特殊出生率の上昇継続のニュースは、日本人にとって誠に喜ばしいニュースです。
 2006年から続くこの動きは、多分これからも続くでしょう。その動きを一層促進するためにも、日本らしい子育て支援の在り方、日本経済社会の将来への明るい展望を、国民が本気で感じられるような政府の知恵と政策が期待されます。