tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

どんな経済政策が可能か 2、コンセンサス社会では相談が大事

2016年04月01日 09時45分23秒 | 経済
どんな経済政策が可能か 2、コンセンサス社会では相談が大事
 残念ながら安倍総理は「相談」が苦手のようですね。良く「私が決めます」「私の責任でやります」などと言われます。これが多くの日本人には「ピンとこない」のです。
 
 どう決めるのか分かりませんし、責任も取れる事と取れない事があります。例えば、『プラザ合意』で円高を認めた結果、日本国民は30年近く大変な苦労をしました。経済的にも 巨大な損失、日本社会も、いろいろな面で劣化しました。国民は我慢するだけです。
 当時のG5代表も当時の自民党政府も責任は取りませんし、現実に取りようがありません。

 コンセンサス社会では相談が大事で、みんなで相談して物事を決めます。所謂「根回し」が大事な参加型社会です。企業経営でも「全員参加経営」が日本では評判がよく、ワンマン型より参加型が長期の企業繁栄の基本と言われます。

 アメリカはTPPをやろうやろうといって、環太平洋の国々を巻き込みました。日本も、熟慮の上参加しましたが、今、言い出しっぺのアメリカでは国内がTPPは賛否両論で割れています。諸外国を巻き込んだ後でこの体たらく。日本では考えられない混乱状態です。

 コンセンサス型は、手間がかかるが実施段階ではスムーズ、ワンマン型(リーダーシップ型)は、実施段階でどうにも動かないことが良くあります。
 今の「1億総活躍プラン」なども、「何も相談されてない、どう活躍するの、私に何をしろというの?」とブログやツイッターでもシラケている人が多いのも、コンセンサス社会の作法に沿っていないからでしょう。
 
 「大幅賃上げ奨励」もまさにその類で、賛同は取れませんでした。例えば、1年ぐらいかけて、労使の腹を割った懇談会で議論を積み上げ、「政府が本気で結果を出すというなら協力しよう」と企業労使が納得するといったプロセスが抜けていたからです。

 日本は国民も労使も賢明さのレベルが高いですから、理解すれば協力しますが、理解できないことにはついて行くことはありません。。「知らしむべからず、よらしむべし」ではだめなのです。

 消費増税にしても、「消費増税でこれだけ税収が増えました。その分はお約束通り、全額社会保障の充実に使い、その結果、これこれの項目で、これだけの給付が改善しました。入払いはぴったり同額です」といった説明がないと。消費増税は、必要だが、どうも中身が怪しい、といったことになりかねません。

 軽減税率なども、消費者の意見は聞かれず、どう考えても納得できる合理的な説明も出来ていません。マスコミなども、店食と持ち帰りとか、福袋はどうするとか、冷やかしのような記事が多く見られます。

 イザヤベンダサンこと山本七平氏も、「日本では昔から『一揆に諮り』物事を決定するのがきまり」と言っています。
 注:一揆とはその人の属する人間集団のことです。

 さて、これを今必要な「消費拡大」に適用するとどうなるのでしょうか。次回、具体的方法論を考えてみましょう。