貿易依存度考
貿易依存度という指標があります。一国の輸出額と輸入額を足して、それをGDPで割ったものです。つまり輸入依存度と輸出依存度の合計で、その国の経済が、どのくらい国際的な経済関係に依存しているかの指標という事ができるでしょう。
貿易依存度の数字は、その国の経済の状況、貿易先の国の経済状況などによってかなり変動します。
日本でも従来の推移から見て、高い時は30パーセント低い時は20パーセント程度とかなり差がありますが、世界的に見れば、国際経済環境の整備が進み、貿易依存度は上昇というのが基本的なトレンドでしょうか。
もちろん貿易依存度には、国によって大きな違いがあります。
大変大雑把な数字ですが、ドイツやフランスが50~70パーセント程度、北欧諸国が60~70パーセント、オランダやベルギーになると100パーセントを越えるといったところでしょうか。
一方、アメリカは25パーセント程度、ヨーロッパもEUを一国と見れば、20パーセント程度ですが、中国はそれより大変高くて60パーセント超となっています。
かつて、戦後日本の高度経済成長について有名な下村理論を打ち立てた下村治博士が、「貿易依存度というのは、その国の人口規模に関係しているように感じている」と書いておられたのを記憶しています。当時私は、この考え方に共感し、第1次オイルショックによる日本経済へのショックをからの回復の目安の1つに、貿易依存度の復元を使ったことがありました。
今でも、この下村博士の説は合理的だと思っています。例えば、EUの国々は、国別に見れば、数十パーセントから100パーセント以上の貿易依存度ですが、EUをひとつの国とすれば、貿易依存度は20パーセントと程度に下がります。
極端なことをいえば、世界が1つの国になれば、貿易依存度はゼロです。
これで説明できないのが、今日の中国の高い貿易依存度です。中国の研究者の中でも、研究はある様ですが、下村博士の仮説から考えてみると、中国の13億の人口のうち、国際経済に晒されているのはその1部で、その人口をベースにすれば、高い貿易依存度は説明可能という事になるのではないでしょうか。
もしその見方が正しければ、中国全体が国際経済に晒されるようになったときの中国経済の規模は超巨大で、そのときは、いかに巨大な輸出入であっても、貿易依存度は10パーセントとかそれ以下になるのかもしれません。
中国の経済発展の可能性は、今の常識をさらに大きく越えたものになるようにも感じます。
貿易依存度という指標があります。一国の輸出額と輸入額を足して、それをGDPで割ったものです。つまり輸入依存度と輸出依存度の合計で、その国の経済が、どのくらい国際的な経済関係に依存しているかの指標という事ができるでしょう。
貿易依存度の数字は、その国の経済の状況、貿易先の国の経済状況などによってかなり変動します。
日本でも従来の推移から見て、高い時は30パーセント低い時は20パーセント程度とかなり差がありますが、世界的に見れば、国際経済環境の整備が進み、貿易依存度は上昇というのが基本的なトレンドでしょうか。
もちろん貿易依存度には、国によって大きな違いがあります。
大変大雑把な数字ですが、ドイツやフランスが50~70パーセント程度、北欧諸国が60~70パーセント、オランダやベルギーになると100パーセントを越えるといったところでしょうか。
一方、アメリカは25パーセント程度、ヨーロッパもEUを一国と見れば、20パーセント程度ですが、中国はそれより大変高くて60パーセント超となっています。
かつて、戦後日本の高度経済成長について有名な下村理論を打ち立てた下村治博士が、「貿易依存度というのは、その国の人口規模に関係しているように感じている」と書いておられたのを記憶しています。当時私は、この考え方に共感し、第1次オイルショックによる日本経済へのショックをからの回復の目安の1つに、貿易依存度の復元を使ったことがありました。
今でも、この下村博士の説は合理的だと思っています。例えば、EUの国々は、国別に見れば、数十パーセントから100パーセント以上の貿易依存度ですが、EUをひとつの国とすれば、貿易依存度は20パーセントと程度に下がります。
極端なことをいえば、世界が1つの国になれば、貿易依存度はゼロです。
これで説明できないのが、今日の中国の高い貿易依存度です。中国の研究者の中でも、研究はある様ですが、下村博士の仮説から考えてみると、中国の13億の人口のうち、国際経済に晒されているのはその1部で、その人口をベースにすれば、高い貿易依存度は説明可能という事になるのではないでしょうか。
もしその見方が正しければ、中国全体が国際経済に晒されるようになったときの中国経済の規模は超巨大で、そのときは、いかに巨大な輸出入であっても、貿易依存度は10パーセントとかそれ以下になるのかもしれません。
中国の経済発展の可能性は、今の常識をさらに大きく越えたものになるようにも感じます。