司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

受験予備校のコンプライアンス意識

2005-02-21 14:13:15 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 平成17年度の司法書士試験も改正不動産登記法の下で行われるだけに、受験予備校も対策におおわらわのようだ。

http://www.itojuku.co.jp/09shihoshoshi/openschool/4966.html

 しかし、未だ表には出ていないはずの「準則案」について、「我々は通達である『不動産登記事務取扱手続準則』案をも入手しており」と公言して、受験生を呼び込もうとしているのはいかがなものか。仮に何らかのルートで既に入手しているとしても、それを吹聴するのは、法律家としての倫理観、コンプライアンス意識が欠如しているように感じられる。近々公表される見込みであるにしても、現段階で受験予備校が入手しているなど「あってはならない」話であるからだ。

 先般のLEC事件にしてもそうであるが、法律家を養成せんとする受験予備校の姿勢が問われるべきといえよう。
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敷金返還請求訴訟~上告受理申立取下~

2005-02-21 00:10:00 | 消費者問題
 京都新聞によれば、平成16年12月18日付「敷金問題で画期的な大阪高裁判決」事件の上告受理申立が取り下げられ、判決が確定したとのことである。

 但し、別件で、やはり上告受理申立がなされている事件があり、注視すべきである。
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債権譲渡登記等の登記手数料が登録免許税に変更

2005-02-20 15:04:26 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 従来、債権譲渡登記の際には「登記手数料」を納めることとされていたが、今国会に提出されている「所得税法等の一部を改正する法律案」により、「登録免許税」の対象とされることになるようだ。

(登録免許税法の一部改正)
第四条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第八号の次に次のように加える。

八の二 動産の譲渡又は債権の譲渡若しくは質権の設定の登記

 (一)動産の譲渡の登記 申請件数一件につき一万五千円

 (二)債権の譲渡又は質権の設定の登記 申請件数一件につき一万五千円

 (三)(一)又は(二)に掲げる登記の存続期間を延長する登記 申請件数一件につき七千五百円

 (四)登記の抹消 申請件数一件につき千円

 但し、租税特別措置法第84条の4関係により、動産譲渡登記は7500円、債権の個数が5000個以下の場合における債権譲渡登記及び質権設定登記は7500円、(一)又は(二)に係る延長登記は3000円とされる。

 なお、登記手数料は登記印紙、登録免許税は収入印紙を貼付して納める相違がある。
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類型別会社訴訟シリーズ⑥(判例タイムズ)

2005-02-20 13:36:05 | 会社法(改正商法等)
 判例タイムズ1156号(2004年10月15日号)から開始された連載。会社訴訟事件等を取り扱う商事専門部である東京地裁民事第8部の裁判官及び書記官が、実務上の問題点をQ&A方式でまとめたもの。会社訴訟は地裁の専属管轄とされ(商法第88条の準用)、司法書士には代理権はないが、商業登記を扱う上で「問い合せ」を受けることも多く、当然押さえておくべき分野である。

 第6回(1167号)では、「株主代表訴訟」が取上げられている。大企業の事件ばかりが注目されがちであるが、大多数は中小同族企業の支配権争奪に絡むものである。

 なお、株主代表訴訟に関しては、会社法制の現代化において、興銀事件や大和銀行事件の反省を踏まえ、そのような場合に原告適格を喪失しないものとする改正がなされる予定である。

cf. 小林秀之・近藤光男編著「新版株主代表訴訟大系」(弘文堂)
    小林秀之・近藤光男編著「新しい株主代表訴訟」(弘文堂)
    山下眞弘ほか編著「会社訴訟をめぐる理論と実務」(中央経済社)
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「鑑定意見 会社法・証券取引法」

2005-02-20 12:30:00 | 会社法(改正商法等)
河本一郎・今井宏著「鑑定意見 会社法・証券取引法」(商事法務)

 企業から依頼を受けて作成された、一般の解説書には説明のない実務問題に対する鑑定意見を収録、公表したもの。公開会社向けといえるが、改正続きの昨今でも充分通用するものばかりである。

cf. 河本一郎・今井宏著「会社法 鑑定と実務」(有斐閣)1999年刊
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「株式会社・有限会社法(第4版)」

2005-02-19 20:25:33 | 会社法(改正商法等)
江頭憲治郎著「株式会社・有限会社法(第4版)」(有斐閣)

 平成16年改正(株券不発行制度、電子公告制度等)を盛り込んだ改訂版が刊行された。その他加筆修正されている箇所が随所に見受けられる。実務家にとっては、やはり必携であろう。
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NHKニュース610「京いちにち」

2005-02-18 18:32:44 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 昨日、相続登記はおすみですか月間事業のPRのため、NHK(UHF)ニュース610「京いちにち」の「60秒テレ自慢」のコーナーに井上会長、山本明子さんとともに生出演。

 昨年に続き2度目だが、たった2分間のために4時間近く拘束されるのはちょっとしんどい。岸本アナ(以前全国区のニュースキャスターだった)にお会いした。
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不動産登記規則の公布

2005-02-18 09:18:24 | 司法書士(改正不動産登記法等)
不動産登記規則が本日公布された。

整備法施行に伴う関係政令の整備等に関する政令も公布された。
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ご注意下さい!! 司法書士や司法書士事務所の名をかたる架空の債権請求

2005-02-18 00:00:00 | 司法書士(改正不動産登記法等)
ご注意下さい!! 司法書士や司法書士事務所の名をかたる架空の債権請求

 ついに登場! というべきか、最近やたらと増えているようだ。

 もし、不審に思ったら、当該地域の司法書士会HPの会員名簿で実在の有無を確認されたい。

cf. 京都司法書士会会員情報
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ライブドアの資金調達手法~転換社債型新株予約権付社債~

2005-02-17 14:15:30 | 会社法(改正商法等)
 ライブドアがニッポン放送の株を買い集めた際の資金調達手法(転換社債型新株予約権付社債)につき、本日の読売新聞が簡明にまとめている。

 新株予約権(株式を一定の条件で取得するための権利)は、新株予約権の権利行使の際に一定の金額を払込む必要があるが、転換社債型新株予約権付社債の場合、社債部分の金額がそのために払い込まれた(代用払込)とみなされる。すなわち、融資をする者は、社債権者となるが、社債権者であり続けてもよいし、新株予約権を行使して株式を取得してもよい、というものである。

cf. 証券取引法研究会編「転換社債型新株予約権付社債の理論と実務」(商事法務)
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登記事項証明書及び印鑑証明書のA4化

2005-02-17 09:59:20 | 司法書士(改正不動産登記法等)
登記事項証明書及び印鑑証明書のA4化について(お知らせ)

 A4対応が遅れていた法務局発行の登記事項証明書及び印鑑証明書がようやくA4化される。偽造防止措置も講ずるようだ。
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役員報酬 追認決議でも有効(判決全文)

2005-02-17 09:42:03 | 会社法(改正商法等)
平成17年2月15日最高裁判決全文である。

 骨子は、

① 株主総会において、役員報酬を過去にさかのぼって支給することを決議することも禁止されるものではなく,本件決議が商法269条,279条1項に違反するということはできず,無効ということもできない。

② 株主総会の決議を経ずに役員報酬が支払われた場合であっても,これについて後に株主総会の決議を経ることにより,事後的にせよ上記の規定の趣旨目的(※ お手盛りの弊害防止)は達せられるものということができるから,当該決議の内容等に照らして上記規定の趣旨目的を没却するような特段の事情があると認められない限り,当該役員報酬の支払は株主総会の決議に基づく適法有効なものになるというべきである。


 本件会社は、同族会社であり、設立当初から株主構成にまったく異動がない故、追認を認めるのが具体的妥当であるとの配慮もあろう。大半の中小零細企業が本件会社と同様に株主総会決議を経ずに役員報酬を支給しているのが実態であり、追認を認めないと社会的混乱を生じかねないからである。
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新不動産登記法Q&A

2005-02-16 09:35:30 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 法務省HPに、新不動産登記法Q&Aがアップされている。平成17年3月7日施行。
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役員報酬 追認決議でも有効

2005-02-15 19:06:42 | 会社法(改正商法等)
取り決めない役員報酬、事後の決議でも有効 最高裁 (朝日新聞) - goo ニュース

 「定款または株主総会決議によって報酬の金額が定められなければ、具体的な報酬請求権は発生せず、取締役が会社に対して報酬を請求することはできない」とするのが最高裁の立場である。しかし、株主総会の不開催が状態となっている点に鑑み、実質上株主の利益保護が図られ、取締役によるいわゆるお手盛り防止が図られているような場合には、それを正当化根拠として容認する下級審判例もまま見受けられる。本判決は、事後的追認によって株主の利益保護が図られており、正当化しうるとするものである。

 されど、株主全員の同意があれば格別、安易に追認を認めるのもどうかとは思うが。
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米国クラスアクション改革法案成立へ

2005-02-14 17:32:03 | 消費者問題
 米国で、企業などを相手にした多額の損害賠償請求訴訟を起こしにくくさせる「集団訴訟改革法案」が上院本会議において72対26の賛成多数で可決され、下院でも可決される見通しのようだ。
 欠陥製品などによる損害賠償を企業に求める場合、米国ではできるだけ多くの州から原告を集め、企業責任を最も厳しく規定する州の裁判所に提訴する「集団訴訟(クラスアクション)」が一般的で、企業敗訴につながりやすかった。
 改革法案では、請求額が500万ドル(約5億3000万円)を超える集団訴訟は、州裁判所ではなく連邦裁判所が扱うという内容で、原告側にとって「最も勝訴しやすい州」を選ぶこと(forum shopping)ができなくなる上、連邦法の規定では「訴えの利益がない」として門前払いになるケースが多いとみられる。
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