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司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

代表取締役の辞任届

2014-11-27 11:06:10 | 会社法(改正商法等)
 現在パブコメが実施中の「商業登記規則等の一部を改正する省令案」においては,「印鑑の提出をしている代表取締役又は代表執行役の辞任の登記申請について,辞任届に押印した印鑑に係る印鑑証明書の提出又は辞任届に届出印での押印を求めることとする」改正案が示されているところである。改正の方向性としては,極めて妥当であると考える。

 しかし,「印鑑の提出をしている代表取締役」がメールや電話等で辞任の意思を表示したものの,辞任届の提出に協力をしない場合も想定される。このような場合に,どのように対処すべきかも検討しておくべきである。

 代表取締役の辞任の意思表示を会社が受領したことによって,当該代表取締役の辞任が法的に効力を生じているにもかかわらず,辞任届の提出がないことから辞任の登記をすることができず,敢えて解任の手続をとったり,任期満了を待たなければならないとすれば,妥当ではない。

cf. 平成21年10月23日付け「取締役の辞任による退任を証する書面」

 例えば,新しい代表取締役を選定したことを証する書面である取締役会議事録等において,従前の代表取締役から辞任の意思表示を受領した旨及びその日付が明らかになっているのであれば,当該書面を「退任を証する書面として取り扱って差し支えないように思われる。
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1 コメント

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come (pub)
2016-09-17 05:11:00
代表取締役の辞任は、代表取締役としての委任契約に対する解除(民法651条1項)であるとすれば、その意思表示は「受任者」としての代表取締役の単独行為である。
しかし、その辞任届に会社実印を押印すれば、「受任者」としての代表取締役の辞任の申し込みと、「委任者」としての代表取締役の承諾の意思が表示された合意解除になると考える。
とすると、たとえ不利な時期の辞任であっても、解約告知の効果としての損害賠償請求権(民法651条2項)は生じない。
この場合、代表取締役として利益相反(会社法356条1項2号)となり、株主総会の承認が必要となるか。

個人の実印に限定すべきではないか。
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