司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

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振替株式等の共同相続により債務者が承継した共有持分に対する差押命令は,違法ではない(最高裁決定)

2019-01-29 18:15:06 | 民事訴訟等
最高裁平成31年1月23日第2小法廷決定
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=88273

【判示事項】
1 被相続人名義の口座に記録等がされている振替株式等の共同相続により債務者が承継した共有持分に対する差押命令は,当該振替株式等について債務者名義の口座に記録等がされていないとの一事をもって違法であるとはいえない

2 執行裁判所は,譲渡命令の申立てが振替株式等の共同相続により債務者が承継した共有持分についてのものであることから直ちに当該譲渡命令を発することができないとはいえない

「社債等振替法は,振替株式,振替投資信託受益権及び振替投資口(以下併せて「振替株式等」という。)についての権利の帰属は振替口座簿の記録等により定まるものとしている(振替株式につき128条1項,振替投資信託受益権につき121条において読み替えて準用する66条柱書き,振替投資口につき226条1項)。また,被相続人が有していた振替株式等は相続開始とともに当然に相続人に承継され,口座管理機関が振替株式等の振替を行うための口座を開設した者としての地位も上記と同様に相続人に承継されると解される(民法896条本文)。そうすると,被相続人名義の口座に記録等がされている振替株式等は,相続人の口座に記録等がされているものとみることができる。このことは,共同相続の場合であっても異ならない。」
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