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司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

まず修正案を採決した後,可決されたときは,修正議決した部分を除く原案について採決する

2018-05-26 13:37:57 | いろいろ
 会議則では,議案に関して修正動議が提出された場合には,「まず修正案を採決した後,可決されたときは,修正議決した部分を除く原案について採決する」というルールがある。例えば,日司連総会会議規則第63条第5項もそうである。

 議決権行使者の態度として,

(1)原案についてのみ賛成(修正案が可決された場合には,反対に廻る)
(2)修正案に賛成(「修正議決した部分を除く原案」についても賛成)
(3)修正案に反対(しかし,修正案が可決された場合には,「修正議決した部分を除く原案」については賛成に廻る)
(4)原案について反対(修正案についても,もちろん反対)

の4パターンが考えられる。

 修正案が一つの場合には,(2)のグループが多数で,修正案が可決されれば,「修正議決した部分を除く原案」についても(2)及び(3)の賛成多数で可決されるので,問題はない。



 しかし,修正案が複数提出された場合には,複雑となる。

(1)原案についてのみ賛成(修正案が可決された場合には,反対に廻る)

(2)修正案全てに賛成(「修正議決した部分を除く原案」についても賛成)

(3)修正案Aのみに賛成
  ⅰ)修正案Aのみが可決された場合に限り,「修正議決した部分を除く原案」についても賛成
  ⅱ)「修正案Aに賛成&修正案Bに反対」であるが,修正案全てが可決された場合又は修正案Bのみが可決された場合にも,「修正議決した部分を除く原案」について賛成
  ⅲ)「修正案Aに賛成&修正案Bに反対」であるが,修正案全てが否決された場合にも,「修正議決した部分を除く原案」について賛成

(4)修正案Bのみに賛成
  ⅰ)修正案Bのみが可決された場合に限り,「修正議決した部分を除く原案」についても賛成
  ⅱ)「修正案Bに賛成&修正案Aに反対」であるが,修正案全てが可決された場合又は修正案Aのみが可決された場合にも,「修正議決した部分を除く原案」について賛成
  ⅲ)「修正案Bに賛成&修正案Aに反対」であるが,修正案全てが否決された場合にも,「修正議決した部分を除く原案」について賛成

(5)修正案全てに反対
  ⅰ)修正案Aのみが可決された場合には,「修正議決した部分を除く原案」については賛成に廻る
  ⅱ)修正案Bのみが可決された場合には,「修正議決した部分を除く原案」については賛成に廻る
  ⅲ)修正案全てが可決された場合には,「修正議決した部分を除く原案」については賛成に廻る

(6)原案について反対(修正案についても,もちろん反対)


 したがって,修正案が複数ある場合に,例えば修正案A及び修正案Bの双方が可決されたとき,(3)ⅰ)のグループがそれなりの多数である場合には,「修正議決した部分を除く原案」について否決となることがあり得る。

 というわけで,「まず修正案を採決した後,可決されたときは,修正議決した部分を除く原案について採決する」というルールは,意味を持つというわけである。


cf. 議員ナビ
http://www.dh-giin.com/article/20180312/10874/
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