特例社団法人における社員総会の決議要件に関して,法令の適用関係は,如何?
整備法第85条本文では,「特例社団法人の・・・社員総会の決議・・・については,なお従前の例による」とされている。
ところで,法改正後の経過措置として旧法下のルールを維持する場合,整備法では,
(1)旧法下に法令の定めがあって,新法では異なるルールが定められたとき
→ 「なお従前の例による」
(2)旧法下に法令の定めがなく,新法で新たにルールが定められたとき
→ 新法の規定は「適用しない」
であるのが通例であると思われる。
そして,平成16年改正前民法においては,社員総会の決議要件に関しては,普通決議及び特別決議共に規定が存せず,「定款の変更」「解散」について,規定が存するのみであった。
そうであれば,本来,整備法の定めとしては,
・ 法第49条等の規定は適用しない。
・ 解散の決議については,なお従前の例による
とすべきであろう(定款の変更に関しては,整備法第88条でカバーされ得る。)。
しかしながら,整備法第85条本文では,「なお従前の例による」なのである。
平成16年改正前民法において,定款の定め又は一般原則に委ねられていた状態を改正後も維持するために,整備法第85条本文で「なお従前の例による」と規定したのであるとすれば,甚だおかしな定め方である。
また,社員総会の決議要件に関する平成16年改正前民法の規定ぶりにもかかわらず,「定款の変更」に関して,
・ 決議要件(旧民法第38条第1項) → 整備法第85条本文 → 「なお従前の例による」
・ 主務官庁の許認可(旧民法第38条第2項) → 整備法第88条 → 「なお従前の例による」
「解散」に関して,
・ 決議要件(旧民法第69条) → 整備法第85条本文 → 「なお従前の例による」
・ その他(旧民法第69条以外) → 整備法に規定がない → 新法適用
のように考えなければならないのも合点が行き難い。
法令の適用関係は,簡明に,お願いしたいものである。
cf. 法制執務コラム集『経過規定と旧法令の効力―「なお従前の例による」と「なおその効力を有する」―』
http://houseikyoku.sangiin.go.jp/column/column051.htm
整備法第85条本文では,「特例社団法人の・・・社員総会の決議・・・については,なお従前の例による」とされている。
ところで,法改正後の経過措置として旧法下のルールを維持する場合,整備法では,
(1)旧法下に法令の定めがあって,新法では異なるルールが定められたとき
→ 「なお従前の例による」
(2)旧法下に法令の定めがなく,新法で新たにルールが定められたとき
→ 新法の規定は「適用しない」
であるのが通例であると思われる。
そして,平成16年改正前民法においては,社員総会の決議要件に関しては,普通決議及び特別決議共に規定が存せず,「定款の変更」「解散」について,規定が存するのみであった。
そうであれば,本来,整備法の定めとしては,
・ 法第49条等の規定は適用しない。
・ 解散の決議については,なお従前の例による
とすべきであろう(定款の変更に関しては,整備法第88条でカバーされ得る。)。
しかしながら,整備法第85条本文では,「なお従前の例による」なのである。
平成16年改正前民法において,定款の定め又は一般原則に委ねられていた状態を改正後も維持するために,整備法第85条本文で「なお従前の例による」と規定したのであるとすれば,甚だおかしな定め方である。
また,社員総会の決議要件に関する平成16年改正前民法の規定ぶりにもかかわらず,「定款の変更」に関して,
・ 決議要件(旧民法第38条第1項) → 整備法第85条本文 → 「なお従前の例による」
・ 主務官庁の許認可(旧民法第38条第2項) → 整備法第88条 → 「なお従前の例による」
「解散」に関して,
・ 決議要件(旧民法第69条) → 整備法第85条本文 → 「なお従前の例による」
・ その他(旧民法第69条以外) → 整備法に規定がない → 新法適用
のように考えなければならないのも合点が行き難い。
法令の適用関係は,簡明に,お願いしたいものである。
cf. 法制執務コラム集『経過規定と旧法令の効力―「なお従前の例による」と「なおその効力を有する」―』
http://houseikyoku.sangiin.go.jp/column/column051.htm