法務大臣閣議後記者会見の概要(令和3年7月9日(金))
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00216.html
〇 民事訴訟における被害者の氏名等の秘匿制度に関する質疑について
【記者】
民事裁判について伺います。有識者の研究会が,性犯罪やDVの被害者を保護するため,氏名などを秘匿したまま民事裁判手続を進めることができる制度の創設を求める報告書をまとめました。大臣の受け止めと,今後法制審議会での議論に期待すること,また,改正に向けたスケジュールについて教えてください。
【大臣】
民事裁判の手続につきましては,昨年2月に,そのIT化に向けまして,法制審議会に諮問がなされ,以後調査審議が重ねられているところでございます。
その審議におきましては,御指摘の性犯罪やDVの被害者が,氏名や住所を明らかにせずに民事裁判の手続を進められる制度を創設するよう求める意見が出されたものと聞いているところでございます。
こうした中,その新たな制度の創設につきまして,本年2月より,有識者からなる民間の研究会において議論が重ねられ,本年6月に,具体的な制度案を提言する報告書を取りまとめたものと承知をしております。
性犯罪やDV等の被害者が,加害者に自分の氏名や住所を知られることを恐れて,加害者に対して裁判を起こすことをためらうことがないよう,被害者の氏名等を秘匿することができるような制度を検討することは,重要な課題と理解しているところでございます。
法制審議会におきましては,今般の研究会における議論の結果も参考にしつつ,引き続き,充実した調査審議が行われるものと期待しているところでございます。
今後のスケジュールについての御質問もございましたが,現在,法制審議会におきまして調査審議がなされているところでございますので,引き続き,その議論を待ちたいと思っております。