数量政策学者・高橋洋一氏がこれについて解説しているので、それを貴重に記してゆく。
マスコミはなんとなく「小池1位、蓮舫2位、石丸3位」という結果になるだろう、と勝手に思い込んでいたのであり、その線に沿って報道をしてきた。だが、それはそもそも定性的な予想や意見であり、訓を垂れるような「お気持ちの表明」、つまり「それは貴方の感想ですよね」レベルのほとんどデタラメに近いものであり、従って誰でもコメントできるような内容だったのである。
高橋氏は投票日当日の投票終了時刻前に、Xで上であるポストをしている。
それは
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「今ある計算をしていたら、珍しい4つの素数が出てきた
11,13,17,29
個人的にメモメモ」
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というものである。
開票結果が出る前のタイミングであり、これだけでは謎の数字だ。
これは順番的に逆に読む、つまり 29,17,13,11 と読むのであり、それに各々10万を乗じると 290万、170万、130万、110万 になる。これらの謎の数字ついて、高橋氏は後で答え合わせをする、とXに記した。「後」というのは選挙結果が出てから、ということだ。
要するに、都知事選1位の得票数は290万票くらい、2位が170万票くらい、3位が130万票くらい、その他が全部合わせて110万票程度・・・というものである。
この数字を都知事選の結果に照らし合わせてみると、
東京都知事選結果
・1位 小池百合子 291万8015票
・2位 石丸伸二 165万8363票
・3位 蓮舫 128万3262票
・その他合計 101万9862票
となる。つまり、予測はほとんど当たっている、ということだ。
高橋氏に親しいマスコミの政治部記者は高橋氏の予測について「未来を読んでいたような感じです」と述べた。また、「普通はこんなの当たらない」と言っていたそうである。
高橋氏は定性的に適当に予想したのではなく、定量的に、全て根拠を元にして数字の計算をしたのであって、石丸伸二氏の票が伸びるであろうことは判っていたのである。分かるからこのように数字で計算できたのだ。
それならば、どうやって計算するのか?
小池氏は保守的な層の基礎票があって、浮動票の一定の割合は取るであろう、というそういう前提で計算された。
石丸氏は基礎票が無くて浮動票だけで行く、と。
蓮舫氏はその対極だが、蓮舫氏の個人票と共産党の個人票のみであり、それでお終いである。
「その他勢力」については後で全部引けば自然に出てくる事になる。
従って、ポイントは投票日にどれくらい投票率が高まるか、で推測する事になる。投票率が高まれば浮動票は増えるからそこを読まなければいけない。投票日の天候や気温も重要になる。これらのパラメーターで最終的な投票率は61%と高橋氏は予測した。実際には60.5%だったので当たっている、と言えるだろう。
こうした予想は最終日のギリギリまで待って状況・情勢を見て判断しないと出来ないのも事実だ。競馬で言えば、スタート時点では未だ分からない。第3~4コーナーを回ってきたあたりで漸く予測ができるのだ。
浮動票を予測する為にはギリギリまで見ていないと分からないのである。その代わり浮動票がどれだけくるか誰もわからないのも事実だ。しかし、高橋氏は一応当てている。
当日、投票率は比較的高くなった。
だが蓮舫氏には浮動票は到来せず、最初の予想とほぼ一緒となった。投票率の上下如何に関わらずほぼ一緒である。
投票率が高くなってくると石丸氏はグッと増えてくる。小池氏はそれで浮動票を石丸氏に食われるので小池氏は思ったほど伸びないのである。
このような傾向があるのだ。それを高橋氏の頭の中でモデル化して計算する為に各パラメーターにデータを入れて式の計算をせねばならない。
そうして計算すると、投票率が61%くらいだと全部で約700万票の投票になるので、(10万単位は分からないから)70で割ってみると
11,13,17,29
という数字が出てくる。これを全部足し算すると70になる。
高橋氏はこの結果をXのポストで故意にぼかして記したのだ。その理由は公職選挙法で、最終日(投票日)にはあまり予測をしたらいけない、という事になっているので、その規定に引っかかるのを避ける為にわざと謎解き数字にしたのである。全体の構造が分かっていれば、このような数字は予測可能なのである。
そうなると、だ。
石丸氏が浮動票によって伸びるのは予測されていたことなので、「石丸ショック」と言っているマスコミは実は全く何も判ってない阿呆だ、ということになる。全然ショックではないのだ。石丸氏は前略として浮動票を取るやり方に非常に長けていた、ということが言えよう。逆にこれを「ショック」と言うならば、その人は選挙のプロではない、ということである。
また、期日前投票が2割で最終投票日の投票率は全体の4割ある。だから最終日の動向は大きいものになる。そういう計算をした結果が上記の予測を生み出したのである。
なので、繰り返すがマスコミが「石丸ショック」と(本気で)言うのなら、彼らの目は凄い節穴、ということになるだろう。(蔑笑)
マスコミは「小池vs蓮舫」の軸で煽っていたので、その図式から抜けられなくなってしまったのであろう。だから今回のような浮動票の伸び方についてきちんと判断できなかったのである。
・・・というのが高橋氏の解釈である。
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