Altered Notes

Something New.

自ら衰退の原因を作ったテレビ局

2021-03-02 23:45:45 | 放送
地上波テレビ局の収益悪化が著しいようである。客観的に見て「当然でしょう」としか言えない。自ら視聴者を遠ざける事ばかりしてきたからであり、衰退の原因はテレビ局自身なのである。

今の地上波は悲惨なほど見るに値する番組が無い。それはもう、無い。視聴者を見下し馬鹿にした結果がどうしようもない阿呆な番組と報道の劣化に繋がっているのだ。

テレビ局は「一般視聴者を馬鹿だと想定して番組を作っている」のだ。そう言ったのは筆者ではない。日本テレビのT部長こと土屋敏男氏である。(糸井重里「ほぼ日」での発言)これは土屋氏個人の意見ではなく、今のテレビ局の典型的な標準姿勢だと捉えて間違いない。視聴対象を「馬鹿」と規定し見下す姿勢を基本とした場合、そこから生み出される番組はろくなものではない事は明らかだ。実際にろくなものではない糞な番組ばかりである。

さらに酷いのが報道姿勢である。筆者もかなり昔から疑問に思っていた。「なぜ日本のマスコミは自虐的で日本を貶めるような報道ばかりするのか?」「国際関係に絡む報道では必ずと言っていいほど”日本が悪い”という結論に持っていく傾向が強いのはなぜか?」諸外国のマスメディアでこんなに自虐的なものを見聞したことがない。他国のメディアではまず自国に対する愛国心が根底に存在する事が容易に見えるのであり、それが自然なことだからである。こうした傾向を非常に不思議に感じていたのだ。

自国に自虐的な報道をするのはマスコミがおしなべて左翼だからである。なぜ左翼なのか?その理由は下記の記事を参照されたい。

日本のマスコミが左傾化した本当の理由

報道姿勢が「なにかおかしい」から「完全におかしい」「狂っている」と確信するに至ったのは「アメリカ大統領選挙報道」であり「武漢コロナウィルス(新型コロナウィルス)報道」や「尖閣問題を報道しない異常」である。これらの大きなテーマに対する日本のマスコミの報道は根底にある基本姿勢から完全に異常であった。「事実を報道しない」「虚偽報道・嘘をでっち上げてあたかもそれが事実であるかのように報道する」「報道内容が左翼勢力のプロパガンダそのもの」である事に恐怖と怒りを感じた。(*1) それはもう日本のマスコミ(新聞・テレビ)は一切信用できないということであり、もはや報道機関ですらなく左翼の情報操作機関である、という確信に至った、ということだ。

視聴者を「馬鹿」と見下すだけでなく、後先考えずに左翼姿勢を丸出しにして突っ走ったテレビ局。その結果どうなったかと言えば、大勢の視聴者とスポンサーからの信用をなってしまい、大幅な収益悪化を招いたのだ。普通、民放テレビ局に於いてCM収入が2~3%減ったら社内的に大問題となるが、それが今は30~40%減収になっているのだ。テレビ局側はこの理由についてコロナを絡めてもっともらしい理屈を付けて説明しているが、根本的な原因は上述の基本姿勢にあるのは間違いない。だが、彼らがそこに気がつくことはないだろう。彼らはいつも「自分達は悪くない」「悪いのは周辺環境だ」として原因を自社の外側に求める。それが続く限り衰退は止まらないだろう。なぜか。頭が悪いからである。

視聴者を馬鹿にしている姿勢がモロに出ているポイントとして、地上波番組は何らかの宣伝が絡められている場合が多い。普通に楽しめる番組かと思って視聴したら、実は何かの商品やサービスの宣伝だった、というケースが多々ある。これもまた視聴意欲を削ぎ気持ちを萎えさせる大きな要因の一つと言えよう。いくら収益が苦しいからと言って番組を装ったCMなど見させられるのは不愉快だし、そもそもこれ自体が一種の騙しなのである。

テレビ局衰退にはもう一つ重大な要因がある。
テレビはマジョリティに向けて幅広い支持が得られる番組を作ろうとする。だが、世の中は価値観が細分化されていて、既にマジョリティが同時に同じコンテンツを視聴する事が困難で稀なことになっている。1970年代には既に「価値観の多様化」という言葉が独り歩きしていたが、現在はそれが非常に進んだ状態になっており、「多様化」どころか「激しく細分化」されている、と言えよう。細分化されすぎていて、特定の分野に関心があるが、同時に別の分野には全く無関心、といったマインドを持つ人が少なくない。

しかも、だ。

そうした価値観を細分化させる方向に国民を誘導したのは他ならぬテレビ局なのである。マスコミ・テレビ局は左翼であり、彼らは基本的に伝統的な価値観を破壊したがる。日本の文化や伝統を壊し、国家・国民を分断して全体の崩壊へ持っていくことが最終目的なのだ。テレビ番組はそうした秩序を破壊するようなインモラル的な番組が多かった事実を記憶されている人も多いだろう。結局、テレビ局が作りたいマジョリティ向け高視聴率番組が成立しない社会に自ら誘導していたのがテレビ局なのだ。阿呆としか言いようがない。

自ら価値観を細分化してしまった一方で全体に共通する価値が見つけられないからテレビ局は困っているのだが、二律背反の状況に自ら進んで嵌ってしまった間抜けさには同情の余地はない。これが今の地上波衰退の実態である。マジョリティに向けた番組はそもそも成立しない社会に変貌したのだしさせたのだ。テレビ局は「そうさせてしまった犯人が自分」であることに気が付いていない。愚かの極みと言えよう。

テレビの代わりに一般視聴者の希望に応えたのはネットメディアだ。極度にセグメント化された視聴者層に受け入れられたのがYouTube等のインターネットメディアなのである。ネットメディアには細分化された価値観に見合ったコンテンツがある。少なくとも地上波テレビからは絶対に得られないコンテンツがそこにはあるのだ。

結局、テレビ局は視聴者を見下して馬鹿にした上に嘘の報道ばかり行ったことでまっとうな視聴者層を遠くへ追いやってしまい、さらに価値観のセグメント化を誘導・推進させ、その結果として細分化された興味・関心分野に対応することができず、相変わらずマジョリティに向けたコンテンツばかり作り続けている結果として視聴者を失いスポンサーをも失ったのである。国家から借り受けた「テレビ電波」を持ったことを一種の権力と勘違いして思い上がってしまった成れの果てがこの惨敗状況なのである。哀れである。

地上波テレビの衰退はテレビ局自ら招いたものであり、時代の流れに沿った必然でもあったのである。



-----------------------------



(*1)
先日の「池上彰のニュースそうだったのか」に於いて「トランプ大統領は人権に関心がなかった」と言い切った池上彰氏の真っ赤な嘘には多くの人が唖然としたと思う。これほどバレバレの嘘を平然と放送するのが今のテレビ局の実態なのである。もはや左翼のプロパガンダ機関としか言いようがない惨状である。もう神経が完全に麻痺しているとしか思えない酷さである。




この記事についてブログを書く
« バイデン政権の2トラックポ... | トップ | 一度も戦争しなかった初の米... »
最新の画像もっと見る

放送」カテゴリの最新記事