合評の同人誌とレポート
霜月もおわりに近づいた26日(土)、旧暦でいうところの11月2日
この日は三の酉。その昔は寒さに震えたこの時期も昨今はだいぶに暖かい
新吉原も活況だが、内藤新宿の酉の市も靖国通りまで人が溢れ盛況な様子だった
その内藤新宿のとある部屋で、わが同人季節風の合評会が行われた 106号と107号に掲載の創作9編評論1編と不掲載1編。名うての書き手が集っての季節風伝統の合評である。辛辣と率直、愚直と真摯な言葉が飛び交った。相変わらずの熱さが、同人でいることの喜びでもある。
あっしは23日の午後をつぶして、寸評を書いた。咄嗟に指名されると真っ白になってしまうから、アンチョコの答弁を用意した。官僚任せじゃありませんぜ、一応自分の感ずるままに
手前が一冊も本を出したこともないのに、人様の作についてあれこれ語るのはおこがましいのだが、そこはそれ、季節風の慣習にのっとって何作かレポートを読み上げさせていただいた。
現役で活躍する作家や同人たちの肉声が聞けるこの同人の質たるや、文学を志すものなら言わずもがなの昇天級である。関西から飛んできた同人はあさの代表のレポートを宝物のように鞄につめていた
あっしは、好き勝手に評を論じながら、はたまた気楽に同人の手厳しくも愛のある指摘を聞きながら、そのたびに目を通す投稿評にある自作の評に感慨に浸っていた。106号のファンタジー、107号の昭和の下町話。書いた原稿の枚数分の痛み、悔しさ、落胆、才能のなさ自覚ゆえの渇望と絶望。けだし、いまここにいることが、継続の証なのだ。
二次会は、某居酒屋。三次会道産子まで夜を徹した話し、笑い、語った思いはここでは云うまい。
ただ、学生時代から物語を書いてきたという同人、また10年、20年と書いてきた同人たちのその思いの結晶に圧倒され、屈服され、次第に言葉少なになった。近々デビューする同人二人も挫けずに書き続けてきたのだ。その勇気と不屈に乾杯!
駆け出しには、駆け出しのハイハイしながらの濃密さしかないのだな、と自覚する。
108号に掲載していただいたのは、江戸は文化文政の裏店の話。あれから、今戸金蔵店の子どもたちや町人たちが己のなかに息づいている
ささやかな日常の一遍を拾いたい。何気ない一言に傷ついたこと。見た目怖い兄さんの人助けに遭遇した日の爽やかさ。たくさんの人がそれぞれの何かを背負って、一生懸命生きているんだ。けっしてヒーローなんかじゃない……。地味だが、確実に生きている証。それをいまは無性に書きたい。
師藤沢周平亡きあと、浅草の市井を書くのはあっししかいないんだ。そのくらいの気概なくして、ここには踏みとどまれない。
酔いに任せてここまで云って……。
有言実行しなきゃ、同人たちに笑われちまって寝覚めが悪い。
書くしかないな あはは。。
「新月や 集う思いの 三の酉」
海光
<追記>
大兄ひでじぃさまが終電逃し、みなと一緒に新宿駅まで歩いた時のこと。
沈黙で柱に立ち、詩集を売る若い女性に出会った。その詩集に300円コインを出しながら、徐に名刺を差し出し、ブログに載せるよと云った。その姿がかっこよかった。また同人の推薦に満面で応える姿に、ひでじぃさま書くところの作品の主人公が重なって見えた気がした。こんなお人だから人が書けるんだな。そう思った。あっしなぞ、まだまだだ。とほほ。。
2011年TOTAL RUN 1961.5km
11月27日現在
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なるほど。ようやく合点がいきました。魔女っ子(マッチ?)=あかぎライダーだったのですねえ。あっしも季節風の同期だと思ってますよ。コメント嬉しかったです。ありがとうございます。あかぎは連作で読みたい。ぜひお願いします。しかし書いたからとて載るとは限らないから厳しいですよね(笑)。掲載作を後藤さんならどう云ってくださったかなあ。伺ってみたかったですねえ。同期としてあかぎライダーには勇気もらいました。これからも何卒よろしくです