7月11日 (火)
園芸の楽しみはなんといっても新鮮な野菜の収穫であるが、畑に播いた野菜の種がしばらくして地表から芽をポッコリと出すのを見るのも結構楽しい。
しかし、時にはこの期待が裏切られることもある。大雨で種がすっかり流がされてしまったり、虫や鳥に食べられたりすることもある。
また、浅く植えると雨に打たれて種が散乱し発芽状況が無茶苦茶になってしまったり、深く植えると発芽にたいそう時間がかかったり、どうかするといつまで経っても芽が出ないという事態に見舞われることもある。
芽が出るのをいまかいまかと毎日待ち望んでいるのに発芽に失敗してしまったりすると本当にがっくりくる。
そんなことのないよう、種の発芽対策としてMr.ITが考案した手法は秀逸である。ビニールケースの底に濡れたティッシュを敷き詰めその上に水に浸した種を播くという手法である。
この方法なら、わざわざ畑や温室にいかずとも、書斎の机に上で化学実験のようにピンセットなどを使って細かい作業が行えるし、絶えず監視して発芽の状態を確認でき、さらには発芽したか細い苗の世話もやりやすい。
このやり方がすっかり気に入り、これまで何種類かの種をこの方法で発芽させてきた。
その経験を踏まえながら、これに関連して野菜の種についていろいろ調べてみた。その中で知り得た重要な知識が種には「好光性種子」と「嫌光性種子」というのがあることだった。
つまり、野菜の種の発芽には、日光が好きな種と嫌いな種という逆の性質があるということである。
これまでは、なんでも明るいところに置く方が早く発芽すると思っていたのだが、とんでもない。暗いところに置かないとなかなか発芽しない種もあるのである。
これまでの経験からしてもこのことに思い当たる節があり、これからはこのことを考慮しなければならないと痛感した。
この知識を生かして明るいところではなく暗いところでの発芽実験をしてみたく、次の播種の機会をうかがっていたのだが、7月に播種の適期を迎えるのは人参くらいしかない。人参は代表的な好光性種子だからこれまでとやり方は同じである。
ティッシュに置いて明るいところに置いたら2日目にはすぐ発芽した。気温も上がってきているからとても早い。発芽させた種は畑の畝にそっと持っていて植えたが、なんとか順調に生育していきそうである。
やってみたいのは嫌光性の種子を暗いところで発芽させることである。
野菜種を容れた箱を漁ってみたら、唯一今の時期でも播けそうな種があった。「地這え胡瓜」である。播き時は4月上旬から8月上旬までとある。胡瓜は「嫌光性種子」である。
早速とりかかった。
7月8日 午前中に種を水に漬ける。半日経過、夕方にはすべての種子が水に沈んだので、その種を取りだし濡れたティッシュの上に並べて置き、ケースを抽斗の中に入れる。
7月9日 種子の状態に変化なし。
7月10日 午前中に半数の種のしっぽに白いものがかすかに出現。夕刻にはすべての種に白い根が出ているのを確認。早い!
ポットに培育土を入れ、ピンセットで一粒ずつ取り出して土の中に埋める。しばらくは書斎にとどめて面倒をみることにする。
この種蒔きのやり方、非常に興味津々です。
今週中に伊豆高原に行き、今夏はけっこう長く
滞在しようと思っていますので、さっそく何か
試してみたいと楽しみです。