アール・ヌーヴォー装飾のガラス名品を集めた「ガレとドーム展」が京都高島屋で開催中です。
19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパ中心に花びら開いた装飾スタイル、アールヌーボーの巨匠の一人が、
ヨーロッパ近代工芸に革命をもたらしたガラス工芸家エミール・ガレです。
1846年にフランス東部のナンシーに生まれたガレは、幼い頃から植物や文学に親しみ、若くして体験したパリ万博で、
異文化に触れ、とりわけ「ジャポニズム」に強い影響を受けます。
ガレのガラス工芸作品はフランスを代表し、世界的名声を得ました。
ドーム兄弟はガレ様式を受け継ぎながらも、独特の世界観と造形表現を追求しました。
今回の展示会はガレとドーム兄弟の作品110点が展示されています。
期間は1月6日から16日までです。
とにかく素晴らしいガラス工芸にうっとりです。
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一作品だけ撮影可能になっていました。
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展示会を紹介した京都新聞
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以前(2014)私のブログで日曜美術館の『ガラスの巨人を超えろ~ガレに挑んだドーム兄弟~』を紹介しました。
今回の展示会の作品と異なりますが、ガレとドーム兄弟の作品の参考になると思います。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパを中心に開花した、国際的な美術運動、 アール・ヌーヴォー。
花や植物などの有機的なモチーフ、自由曲線の組み合わせなど、従来の様式に囚われない装飾性が魅力です。
ガラス工芸の分野では、 エミール・ガレやドーム兄弟が有名です。
フランス北部、ナンシーはガレやドーム兄弟が生涯活動の場とした街です。
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この街、ナンシー市立美術館にドーム兄弟の作品が展示されています。
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ドーム「花瓶 収穫月」
収穫の季節を迎えた田園の風景、木々が色づいている様子を細やかに表現しています。
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ドーム「花瓶 ヤマブドウ」
紅葉した枝に小さ実をつけたヤマブドウ
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ドーム兄弟は、1870年の普仏戦争で故郷を追われ、新天地ナンシーでガラス工場の経営を始めます。
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その時、手本としたのがガレでした。
ガレはアールヌーボーの先駆者として、独創的な作品を、世に送り出していました。
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ガレ「ひとよ茸文花瓶」
森の奥深く、一晩だけ命を咲かせ、土に帰る ひとよ茸、詩のような絵画のような花瓶です。
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ドーム兄弟はアールヌーボーの流行を見抜き、デザイン専門の工房を立ち上げます。
ドーム「チューリップ文花瓶」
花びらが開くチューリップを型どった初期の傑作です。
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シカゴ万博国際展覧会出品作
「 鷲文花瓶 アレリオン」
国際デビューした作品です。鷲を大胆にデザインしたものです。
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「鷺に水草文三耳花瓶」
ジャポニズムの影響を受けた作品です。
水辺を舞う鷺の群れ、水墨画の世界のようです。
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ドーム兄弟は、わずか数年で大きな成功をおさめました。
ここの美術館には、アールヌーボーの作品が多く展示されています。
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ドームのランプ
ガラス製の傘を見てください。
緑の葉っぱが日差しを受けてうっすらと透けているデザインです。
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ガレのランプ
こちらも、ガラスの傘を草花の模様で飾り、光に浮かび上がらせているデザインです。
どちらも雰囲気がよく似ています。
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ドームの作品は、ガレの物真似ではないかという批判が起こります。
ドームにしかできないデザインとはなにか、苦闘がはじまります。
ガレ「蜻蛉にカエル文扁壺」
光だけでなく、闇までも表現するガレ。
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ガレ「蘭文八角扁壺 親愛」
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ガレ「百合文水差 暗闇の花」
夜明けか黄昏時か、薄暗い湖に百合の花が浮かび上がっています。
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ガレは自然を芸術的に捉えようとしましたが、
ドーム兄弟は模索し、身近にあるおだやかな自然をモチーフにする決意をします。
誰もが感じる自然の美しさをわかりやすく表現しようとしたのです。
ドーム「紫陽花文花瓶」
紫陽花が醸し出す初夏の気配
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ドーム「春草文花瓶」
春、咲き誇る花が、風に揺れています。
なんと穏やかな心和む作品です。
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ドーム「藤文筒型大花瓶」
ピンクの背景に映える真っ白な藤の花、美しく優しいドームの世界です。
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ドーム兄弟は、パリ万博に出品します。
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そこには、対決心を燃やしたガレも作品をだしたのです。
ガレ「水仙文花瓶」
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ドーム「カモメに帆船文花瓶」
カモメが翼を広げた下に帆船が透けて見えます。
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ドーム「アネモネ文花瓶」
朝靄に浮かび上がるアネモネのようです。
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対決の結果は、両者がともにグランプリをわけあったのです。
ガレはこの結果が大いに不満だったそうです、、、。
ドームにとっては、快挙でした。
やっと、ガレと肩を並べることができたのです。
ドーム「花瓶 ナナカマド」
万博の後に作られた作品です。
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ドーム「風景文脚付双耳花瓶」
花瓶というより、一幅の絵画を見ているようです。
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