京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

伊藤若冲 京都国立博物館

2017-01-07 05:35:30 | 美術・博物館

2016年生誕300年を迎えた伊藤若冲(1716-1800)展のトリを飾る特集展示が京都国立博物館で開催中です。
展示期間は12/13-1/15、私は師走の混雑を避け一昨日行ってきました。
各地で開催された展示会で展示されない作品も多く、28作品と少ないですが見応えある内容でした。



新年の門松が出迎えてくれます。



若冲展は平成知新館二階です。



画集を買い求めましたのでいくつか紹介します。

果蔬涅槃図
釈迦の入滅を描く涅槃図を果蔬(野菜と果物)で表現した大作です。
青物問屋の主人として日々親しく接した果蔬60種以上で描いています。



百犬図
画面一面犬づくしの作品です。子犬は59匹です。
禅に傾倒した若冲は、中央の犬白いがくわえる葉とじゃれつく縄が箒を暗示し、
子犬と箒はそれぞれ趙州禅師と寒山を表徴しています。







大根に鶏図
近年見出だされた晩年の着色画で公開は今回初です。



垣豆群蟲図
昭和2年(1927)恩賜京都博物館で開催された展示会以降、所在が知られていなかったが、
近年になって再出現した作品で、京都国立博物館では89年ぶりの展示です。




鶏頭蟷螂図
鶏頭花の色彩が強烈です。
鶏頭花の美しさから逃れられなくなったカマキリとは、世俗的な欲望に執着する人間の姿です。




群鶏図押絵貼屏風
80歳代若冲最晩年の作品です。



六歌仙図押絵貼屏風
近年見出だされ今回初公開の作品です。



石峰寺図
石峰寺は深草にある黄檗宗寺院で、晩年の若冲が過ごした地です。
同寺には若冲の墓と筆塚があります。



蝦蟇河豚相撲図
ヒキガエルとフグの相撲、実に面白いです。



鍾馗図
鍾馗は魔を払うとして京都の町屋でも屋根に取付けています。



梅鶴図
夏目漱石が逸品と認めた作品です。40代後半の制作と言われています。



博物館では若冲以外に新春特集とりづくし、皇室の御寺泉湧寺の特集展示も行われています。

東山泉湧律寺図



雪州 四季花鳥図屏風







博物館を出るとテレビカメラが何台も出ています。
文化庁の京都移転にあたり、文部科学省大臣が候補地の一つ博物館の見学に来ていました。



敷地の梅が開花しはじめました。