京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術

2017-01-06 16:58:27 | 美術・博物館

平安神宮参拝、京都市美術館で日展を観賞後、京都国立近代美術館で開催中の『茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術』
を観賞です。







16世紀後半樂家の祖長次郎によって始められた楽焼は、日本の陶芸の中でも他に例を見ない独特の世界を作り上げてきました。
以来450年間、常に茶の湯との強い結びつきの中で焼き継がれてきました。
今回の展示会は初代長次郎から十五代吉左衞門までの作品が一挙に展示されています。
また17世紀初頭の本阿弥光悦等などの作品も展示され、実に豪華な作品群です。

展示会は撮影禁止ですので、パンフレットの写真を紹介します。

会場に入ると、千利休像(春屋宗園賛、長谷川等伯筆 1595年 表千家不審菴)が出向かえてくれます。



黒樂茶碗 銘 大黒 初代 長次郎 16世紀 千利休所持



焼貫黒樂茶碗 銘 吹馬 十五代吉左衞門 1993年 樂美術館



赤樂茶碗 銘 太郎坊 初代 長次郎 16世紀 裏千家今日庵 千利休所持



黒樂茶碗 銘 青山 三代 道入 17世紀 樂美術館



赤樂茶碗 銘 乙御前 本阿弥光悦 17世紀



色釉流水文赤樂平茶碗 銘 綵衣 十四代 覚入 1963年 樂美術館



焼貫黒樂茶碗 銘 砕動風鬼 吉左衞門 1990年 樂美術館



巌上に濡洸ありⅢ 焼貫黒樂茶碗 銘 巌裂は苔の露路 老いの根を嚙み 吉左衞門 2004年 樂美術館



唯一撮影可能スポット



重厚な作品群に見応え十分でした。
楽家の作品はいままで、楽美術館や佐川美術館内の楽吉左衞門館で何度か見てきました。
私は全くの素人ですが、十五代吉左衞門の作品はそれまでの楽代々の作品とは違い、造形的な作品が多いです。
現代絵画を思わせる絵付けとゴツゴツした質感が感じられます。
それを画期的と評価される方々も多いようですが、私は茶碗本来の機能美のある作品が好きです。
それに佐川美術館でも照明が暗過ぎるのです。
退色する絵画の場合は理解できるのですが、過度に照明を暗くし作品を浮かびあがらせる展示方法は疑問です。



新年の平安神宮、京都市美術館

2017-01-06 05:37:03 | 美術・博物館

今日の投稿は新年の平安神宮です。
お正月三が日をずらしてのお参りです。
應天門(重要文化財)見えています。











広い白砂の奥には外拝殿(重要文化財)があります。



白虎楼・西歩廊(重要文化財)



外拝殿



金色の鴟尾



拝殿は撮影禁止です。
二礼二拍手一礼でお参りです。

白虎楼の前には御神籤が括りつけられています。







平安神宮大鳥居







登録有形文化財です。




国立近代美術館



サギ発見



府立図書館



京都市美術館で開催中の日展京都展(~1/15)観賞です。



日展の京都巡回展です。日本画,洋画,彫刻,工芸美術,書の5部門の約540点が展示されています。
私は日本画,洋画,彫刻を中心に見ます。
日展は作品数が多くて結構疲れますが、気に入った作品が今回は多かったです。



京都市美術館は83年が経過し、老朽化、耐震強化に向けた全面改修の整備計画中です。
京都市は改修費用100億円の半額50億円を命名権(ネーミングライツ)でまかなうとし、昨年秋に契約先は京セラとしました。
2019年度予定のリニューアル開館から50年間「京都市京セラ美術館」となるそうです。

美術館前には歴代入場者数トップ10が掲示されています。












トップ10には1960~70年代に開催された展示会が7つもあります。
私が見たのは5位2009年、8位2015年、10位2005年のいずれもルーヴル美術館展です。
ちなみに昨年大混雑した東京都立美術館若冲展は44万6千人、一日最高入場者数2万人、平均1.4万人だったそうです。
1位ツタンカーメン展(1965)107万人は凄いですね。一日平均23,877人です。
2位ミロのヴィーナス展(1964)は一日平均24,752人です。
いずれも半世紀前ですが、今では想像を超えるような混雑ではなかったでしょうか。
日本は戦後の復興を成し遂げ、高度経済成長真っ最中でした。東京オリンピック(1964)が開催され世界にも目が広がり、
世界の素晴らしい文化芸術を吸収したいという国民的意識の向上が背景にあったのでしょうか。