平安神宮参拝、京都市美術館で日展を観賞後、京都国立近代美術館で開催中の『茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術』
を観賞です。
16世紀後半樂家の祖長次郎によって始められた楽焼は、日本の陶芸の中でも他に例を見ない独特の世界を作り上げてきました。
以来450年間、常に茶の湯との強い結びつきの中で焼き継がれてきました。
今回の展示会は初代長次郎から十五代吉左衞門までの作品が一挙に展示されています。
また17世紀初頭の本阿弥光悦等などの作品も展示され、実に豪華な作品群です。
展示会は撮影禁止ですので、パンフレットの写真を紹介します。
会場に入ると、千利休像(春屋宗園賛、長谷川等伯筆 1595年 表千家不審菴)が出向かえてくれます。
黒樂茶碗 銘 大黒 初代 長次郎 16世紀 千利休所持
焼貫黒樂茶碗 銘 吹馬 十五代吉左衞門 1993年 樂美術館
赤樂茶碗 銘 太郎坊 初代 長次郎 16世紀 裏千家今日庵 千利休所持
黒樂茶碗 銘 青山 三代 道入 17世紀 樂美術館
赤樂茶碗 銘 乙御前 本阿弥光悦 17世紀
色釉流水文赤樂平茶碗 銘 綵衣 十四代 覚入 1963年 樂美術館
焼貫黒樂茶碗 銘 砕動風鬼 吉左衞門 1990年 樂美術館
巌上に濡洸ありⅢ 焼貫黒樂茶碗 銘 巌裂は苔の露路 老いの根を嚙み 吉左衞門 2004年 樂美術館
唯一撮影可能スポット
重厚な作品群に見応え十分でした。
楽家の作品はいままで、楽美術館や佐川美術館内の楽吉左衞門館で何度か見てきました。
私は全くの素人ですが、十五代吉左衞門の作品はそれまでの楽代々の作品とは違い、造形的な作品が多いです。
現代絵画を思わせる絵付けとゴツゴツした質感が感じられます。
それを画期的と評価される方々も多いようですが、私は茶碗本来の機能美のある作品が好きです。
それに佐川美術館でも照明が暗過ぎるのです。
退色する絵画の場合は理解できるのですが、過度に照明を暗くし作品を浮かびあがらせる展示方法は疑問です。