国立国際美術館(大阪・中之島)で日伊国交樹立150周年特別展 「アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」
10月22日~2017年1月15日が開催されています。
西の都ヴェネツィアは16世紀を中心にヴェネチア派と呼ばれる表現豊かな芸術が花開きます。
ルネサンス期のヴェネツィア絵画がテーマの企画展で、アカデミア美術館のコレクションがまとまった形で来日する初の機会です。
私と妻は最終日近くになりましたが行ってきました。
会場は撮影禁止です。印刷物を画像にしました。
ジョヴァンニ・ベッリーニ《聖母子(赤い智天使の聖母)》
15世紀後半、ヴェネツィア初期ルネサンスを代表する画家です。
祭壇画や肖像画を得意としたほか、詩情豊かな聖母子像を数多く描きました。本作はその代表的な作例の一つです。
母と子は人間らしい姿で描かれています。
パリス・ボルドーネ《眠るヴィーナスとキューピッド》
輝くようなヴィーナスの裸身像は多産や繁栄、健康の守り神として当日多く描かれました。
またヴェネチアでは肖像画も独自の発展を遂げました。
貴族階級だけでなく、商人などの中流階級でも肖像画が流行します。
ベルナルディーノ・リチーニオ
《バルツォ帽をかぶった女性の肖像》
カリアーニ(本名 ジョウ゛ァンニ・ブージ)《男の肖像》
アレッサンドロ・オリウ゛ィエーロ《女性の肖像》
ベルナルデイーノ・リチーニオ《本を手にした女性の肖像》
パオロ・ヴェロネーゼ(本名パオロ・カリアーリ)《レパントの海戦の寓意》
ヴェネチアを主とするキリスト教諸国連合軍がオスマン帝国軍に勝利した様子
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《受胎告知》
今回の特別出品です。縦4.1m、横2.4mの大作です。
16世紀・盛期ルネサンスのヴェネツィア画壇の第一人者として君臨したティツィアーノ。
この巨匠の晩年を代表する作品の一つが、サン・サルヴァドール聖堂の右側廊の祭壇を飾る大作《受胎告知》です。
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《聖母子(アルベルティーニの聖母)》
ヤコポ・ティントレット(本名ヤコポ・ロブスティ)《聖母被昇天》
ティツィアーノに続く世代としてヴェネツィアで活躍したのは、16世紀半ばに画壇にデビューしたヤコポ・ティントレットと、
少し遅れてヴェローナから移住してきたパオロ・ヴェロネーゼでした。
ヤコポ・バッサーノ(本名ヤコポ・ダル・ポンテ)と工房
《ノアの箱舟に入っていく動物たち》
パルマ・イル・ジョーヴァネ(本名ヤコポ・ネグレッティ)
《聖母子と聖ドミニクス、聖ヒュアキントゥス、聖フランチェスコ》
パドヴァニーノ(本名アレッサンドロ・ヴァロターリ)
《オルフェウスとエウリュディケ》
ヴェネツィア絵画の歴史のなかでルネサンス期に焦点をしぼった展覧会は日本国内ではほとんど例がありません。
素晴らしい作品でした。
1月末より「クラーナハ展ー500年後の誘惑」展が開催(1月28日ー4月16日)されます。
これも楽しみです。