京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

『 安田靫彦』日曜美術館

2016-05-19 16:02:20 | 美術・博物館

先日の東京美術館めぐりで、時間があれば行きたかった展示会がありました。
東京国立近代美術館で開催された(~5/15)「安田靫彦展」です。
私は邪馬台国の女王卑弥呼、万葉の歌人額田王など古代のロマンあふれる歴史上の人物を描き続けた作品が気に入っています。
先日日曜美術館でも取り上げられましたので是非にでもと思ったのですが、
時間の関係で上野公園の美術館に絞らざるを得ませんでした。





「遣唐使」(明治33)

安田靫彦は若いときから古代を描く達人でした。
歴史画家のもとで学んでいた16歳の作品です。
晴れがましい名誉を授かった遣唐使、しかし描いたのは危険な航海に旅立つその身と、
家族の別れの場面です。





当時西洋化の波が絵画にも押し寄せていました。
岡倉天心に才能を見いだされた靫彦は日本美術院に招かれます。
23歳のとき岡倉天心のはからいで奈良で学び始めます。
そこで生涯描き続ける理想の美と出会います。
法隆寺金堂壁画です。

靫彦の金堂壁画模写





「夢殿」(大正元年)

仏教の経典の解釈に悩む聖徳太子、夢殿にこもり瞑想にふけっていると、
金色に輝く僧侶があらわれ教えを授けたという伝説の一場面です。





「居醒泉」(昭和3年)

日本の美に流れる澄みきったものをめざします。
生死の境をさ迷った日本武尊が泉の水でよみがえった場面です。





「風神雷神図」(昭和4年)

構図は俵屋宗達の風神雷神ですが、全く似ていません。
人間のようです。















「黄瀬川陣」(昭和15ー16)

靫彦50代の大作、近代日本画史上最高の傑作とも言われている作品です。
平安時代末、兄源頼朝と生き別れになっていた弟義経との劇的な再開の場面です。










時代は太平洋戦争の直前

「孫子勒姫兵」(昭和13)

中国の兵法家孫子が宮中の女性たちを集めて訓練をした逸話です。





「卑弥呼」





「鬱金香」(昭和25)





「飛鳥の春の額田王」(昭和39)
万葉の時代に生きた女性、額田王です。





「出陣の舞」(昭和45)織田信長






「草薙の剣」(昭和48)

火に囲まれた日本武尊が草薙の剣をふりかざし難を逃れようとしています。
激しい炎のなか妃を守ろうとしています。
安田靫彦89歳の作品です。





歴史人物を描いた画家ですが、私は澄みきって凛とした美しい画風にとても惹かれます。





















南禅寺天授庵、南禅院

2016-05-19 05:26:44 | 花めぐり2016

京都国立博物館で『臨済禅師1150年 白隠禅師250年遠諱記念 禅心をかたちに』が開催(~5/22)されていますが、この期間、春の禅寺一斉拝観行われています。
私が向かったのは南禅寺天授庵と南禅院です。
風薫る五月と言われますが、今年は特に暑く真夏日直前の気温が続いています。
昨日の京都市内は29.6度まで上がりました。

南禅寺三門
まだ新緑の時期ですが緑が濃くなってきました。









天授庵に入ります。
















本堂前庭(東庭)
枯山水で正門から本堂への石畳は幾何学的です。










書院南庭にまわります。
こちらは鎌倉末期から南北朝時代の特色を備えた庭園です。










池に映る新緑がとてもきれいです。














大小の出島がある池です。















天授庵を出て南禅院に向かいます。





南禅院は水路閣に隣接しています。





南禅院本堂前庭





池泉回遊式庭園を歩きます。





青苔がきれいになってきました。














池に映る新緑はきれいです。





カキツバタ





本堂の襖絵