京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

続『日本画家たちの戦い』日曜美術館

2014-03-12 06:17:29 | 美術・博物館

『日本画家たちの戦い』日曜美術館の続きです。

彫刻界に新しい息吹を吹き込んだ平櫛田中です。





その作品「禾山笑」です。













椅子に座る人物は、禅僧西山禾山です。
実に豪快でユーモラスな彫刻です。


田中36歳の作品、「愛犬」






「活人 箭」






当初この彫刻には弓と矢がありました。
しかし、この彫刻に「こんなものでは、死んだ豚も射れません」と指摘したのは、明治の美術会を牽引した岡倉点天心でした。





さらに天心は田中に、「売れないものを作れ」と言います。
田中は、本当に作りたいものを作ればいいと思い悩みます。
そのとき、浮かんだのが、時の禅僧西山禾山でした。
大物政治家や人気力士まで教えを請いにやってきたという禅僧です。
田中も難しい仏の教えを楽しく分かりやすく説く姿を作品にしたいと思い至ります。






田中は西山禾山の臨済録の提唱を聞き、仏教的テーマを題材にした「活人箭 」「法堂二笑」「尋牛」などを数多く制作しています。



次に大正から昭和にかけて活躍した画家たちです。


前田青邨 (1885~1977)「茄子図屏風」です。
琳派を思わせる屏風です。















安田 靫彦 「項羽」

安田 靫彦(1884年~ 1978) は、大 正~昭和期の日本画家で、 前田青邨と並ぶ歴史画の大家です。青邨ととも に、焼損した法隆寺金堂壁画の模写にも携わりました。





放送以外の作品も紹介します。

「飛鳥の春の額田王」1964





「黄瀬川陣」1940~41










そして戦後、画室を血みどろの戦場と例えた小倉遊亀(1895年~2000)です。
歴史画や花鳥画など、従来の伝統的なテーマではなく、現代を描いた小倉の世界は、既存の日本画の常識を越えるものでした。
歴史画や花鳥画ではなく、身近な日常の風景を描いたのです。






「径」






「コーちゃんの休日」
当時のトップス ター越路吹雪を日本画で描いています。