
ケバエ科のBibio gracilipalpus Hardy et Takahashi,1960
津市美杉町の君ケ野ダム。レークサイド君ケ野の建物外壁に止まっている小さなケバエを見つけた。12月中旬にケバエと出会えるなんて。
Bibio gracilipalpus ではないかと思う。
新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,「10~11月に成虫出現」するウスイロアシブトケバエに「近似のアシブトケバエBibio gracilipalpusHardy et Takahashiは濃褐色の平均棍,ほとんど全体黒色の脚,胸背に黒色軟毛を有することによって異なる。」とある。
栃木県のケバエ(中村,2009)によると,Bibio gracilipalpus Hardy et Takahashi,1960 は「体長,雄6~6.5㎜。雄は全身黒色,脚も黒色だが,弱く赤みを帯びることがある。体を覆う体毛は黒色。(中略)M2脈とM3+4脈は翅の縁に届く。平均棍は黒色。秋から初冬に出現し,個体数は多い。」
なお,秋に出現するケバエは他に数種いるようである。
また,栃木県のケバエ(中村,2009)に載っている「日本産ケバエ科の属の検索」によれば,前脚の脛節の先端に一対の棘をもつが,中央部には棘を持たないのが,ケバエ科のBibio属の特徴だという。
今回見つけたのは雄1頭だけ,雌にも会いたいなあ。
2010.12.12

文献
Hardy, D. Elmo & Mitsuo Takahashi, 1960. Revision of the Japanese Bibionidae (Diptera, Nematocera). Pacific Insects, 2(4): 383-449.
中村 剛之, 2009.栃木県のケバエ(双翅目,ケバエ科).栃木県立博物館研究紀要, 自然 (26): 15-20,栃木県立博物館.
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