田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

ケジロキアブ♀

2013-12-11 | ハエ目(双翅目)

キアブ科のケジロキアブ Xylophagus albipilosus Miyatake

2013.4.11 亀山森林公園でケジロキアブ♀を見つけた.

『新訂原色昆虫大図鑑Ⅲ』によると,ケジロキアブは体長♂7㎜,♀11mm.ホシキアブに似るが,触角第1節は短く,幅の2.5倍,第3節は第1節の約2.6倍.翅端は多少とも暗褐.♀の翅の端縁は暗褐色に縁取られる.♂ではホシキアブとともに翅の斑紋は不明瞭.腹部の毛は灰白色.低山地で5月に出現.

京都府のレッドデータブックでは要注目種にランクされ,「自然度の高い森林に生息する種である.身体は細長く,黒色で光沢があり,、翅に比較的顕著な斑紋がある.この仲間の成虫は朽木に集まり、幼虫は朽木の中にいて、他の昆虫を捕食する。近縁のホシキアブに似るが,触角第1節がより短く,中胸側背板に微粉を有することで区別できる.」という.

三重県では情報不足(DD)とされている.

「兵庫県の注目すべき双翅目」によると,既知の産地は北海道・茨城・栃木・埼玉・長野・三重・京都・兵庫・徳島・愛媛・福岡.

大阪市立自然史博物館所蔵双翅目目録(1)を見ると,青森,新潟,奈良,鳥取,熊本,ロシアからも採集されている.なお,同目録によると最も遅い採集日は7月13日で,4月採集のものは無かった.採集者の中に,T.SaigusaやA.Nagatomiの名前を見つけた.この目録ができたことで,新たな産地も判明した.研究者たちによる調査研究の蓄積のおかげだとつくづく思う.





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