アブ科のキンイロアブ Tabanus sapporoensis Shiraki
2010.7.17鈴鹿市の奥ノ谷,渓流の近くでキンイロアブ♂(写真)と出会った。
2010.7.31小岐須渓谷と2010.8.8奥ノ谷では灯火にも飛来した。
キンイロアブは日本全国の山間地帯に生息し,7月下旬から9月上旬に発生する。幼虫は渓流沿いの湿った腐葉土中や湿った岩壁に生えた苔中で暮らしていることが知られている。
原色日本昆虫図鑑(下)によると,キンイロアブ Tabanus sapporoensis Shiraki は「体長11~13㎜,翅長10~12㎜。体は黄色毛でおおわれる。単眼を欠く。触角は橙黄色で末端は濃色。第3節の背面突起は不明瞭。あしは黄褐色で各ふ節のみ黒色。翅は透明で縁紋部は黄色,翅脈は黄褐色。R5室は広く開口する。腹部の末端4節はやや濃色。」
1986年に発表された『アブの分類,生態とその対策』によると,キンイロアブ Hirosia sapporoensis(Shiraki,1918)は「体長9~12㎜。胸背,腹背とも全体黄金色である。腹部は卵形。翅はほぼ透明で,縁紋は小さく不明瞭,R4脈は小枝がない。」などとある。
『新版日本の有害節足動物』によると,キンイロアブ Hirosia sapporoensis(Shiraki)は「成虫は6月下旬から8月末にかけて出現する。ウシ,ウマなどの大動物を好んで吸血するが,ヒトに対する嗜好性も強い。北海道から九州までに分布している。」
キンイロアブの属名については Hirosia に変更されたものの,今なおTabanus を適当とする考え方もあるようだ。
2010.7.17鈴鹿市の奥ノ谷にて キンイロアブ♂
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