田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

砂浜のハマヒョウタンゴミムシダマシ

2009-07-30 | 甲虫
ハマヒョウタンゴミムシダマシ
ゴミムシダマシ科のハマヒョウタンゴミムシダマシ Idisia ornata Pascoe

芦原海岸に打ち上がった流木をどかしてみると、体長5ミリにも届かない小さな甲虫を見つけた。
ハマヒョウタンゴミムシダマシという海浜性の甲虫である。
砂浜があり、流木もあり、海藻類も打ちあがっているような所で見つかる。

原色日本甲虫図鑑(Ⅲ)によると、「体長5.0mm前後。微小白色卵形の鱗毛を密生する。上翅の第3、5、7、9間室は畝状に隆起」

10年前に、今は亡き市橋甫先生の勤め先へ海浜の昆虫類を持って伺ったことを思い出した。「数は少ないですがニセハマヒョウタンゴミムシダマシという種類も居ると思いますよ。そっくりさんです。間室の隆起の様子が違う程度の差です」と教えてもらった。実体顕微鏡を初めて覘かせてもらったのも、このハマヒョウタンゴミムシダマシであった。造形のあまりの美しさに感動した。

砂浜に固有の生きもの。そんな生きものたちをいとおしく感じる昨今である。

ハマヒョウタンゴミムシダマシ

芦原海岸
2009.7.29 津市河芸町の芦原海岸 
防砂を目的とした松林が森林と化している。砂浜海岸固有の生態系を壊すものだ。
松林の中には人は入れない。砂浜に石垣を作り、山土を入れて松を密植する。これを緑化だという。白砂青松だという。
白い砂が見えないような植え方をして、白砂青松と言えるもんか。


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