フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

武士道

2015-07-11 21:27:12 | Weblog
武士道には「喜怒色に現さず」という習いがあります。偉大なる人物を表する場合に使われます。武士が感情を面に現すのは男らしくないと考えられました。これを現代風に言うと欲望をコントロールするのは難しいから、コントロール出来るのが素晴らしいということなんでしょう。確かに喜怒哀楽の感情を面に現すことで周囲に不快感を与えることもあります。
この武士道の精神を否定するものではありませんが、野球のゲームの中で、余りに喜怒哀楽を現すことが少なくポーカーフェイスばかりだと、必死になって応援しているファンには却って物足りないと思ってしまうのは私だけでしょうか。私は人間がプレーしているのですから、悔しい表情や嬉しい表情はあった方がよいと思うのです。もちろん相手を侮辱するような仕草はダメですが、自分に対しての不甲斐なさを自分にぶつけても良いと思うのです。感情を面に出さないのは優等生だと球界では位置づけられているとしたら、私は共感出来ないですね。

会議

2015-07-10 22:08:40 | Weblog
会議が多い会社は余り良くない。とよく言われます。確かに毎日、毎日会議ばかりだとどうもマンネリ化して、踊らない会議になりがちです。発言する人が同じ人ばかりでも踊りませんね。昔の熱血リーダーが踊らない会議に業を煮やして「せめて、一言だけでも発言しろ!でないとテーブルの灰皿と一緒だ」と怒鳴ったと聞いたことがあります。特に海外での国際会議で喋らない日本人を皮肉った報道もあったように記憶しています。また、会議で自分は何を話そうかを考える余りに他人の話を聞いていないという批判も取り上げられたこともあります。
こうした会議の有り様は、往々にして司会者(会議の議長役)のやり方にも問題があります。「喋る人には耳で聴け、喋らない人には口で聴け」という鉄則を忘れているからです。この背景には人に暖かい関心を示しなさい、という思いやりの気持ちが含まれているのです。喋らない人に対しては、その人の得意な話題を振ってやることで流れをスムースに出来ますからね。

梅雨末期

2015-07-09 22:50:46 | Weblog
梅雨明けが待ち遠しいですね。「雷が鳴ると梅雨が明ける」ということわざがありますが、まだそれを感じさせる雷はありません。しかし、2、3日前には蝉の声が窓の向こうから届いてきましたから、間もなく梅雨明け宣言が聞かれるでしょう。
明けて10日ぐらいは夏を支配する太平洋高気圧が精力を増し、安定した晴天が続くと言われています。その頃には蝉の鳴き声も力強くなって来るでしょう。帽子をかぶった子供達が白い蝉とり網を持って大きな樹を見上げているのがお馴染みの夏の光景でしたが、何やらこの頃は町中では全く見かけません。夏休みの宿題に昆虫採集は無くなったのでしょうか。
最近の夏の暑さは猛暑という言葉がふさわしいほどの気温になりますから、クーラーの効いた家の中でゲームをして過ごすのが定番の夏休みになっているかも知れませんね。冷房温度は外気温との差が5度以内とよく言われましたが、猛暑ばかりではその目安も崩れてしまいますね。過ごし易い夏になりますように。

長話

2015-07-08 17:15:21 | Weblog
こう鬱陶しいお天気が続くと、町中での景色が多少変わって来ます。それは御近所同士の道ばたでの長話が無くなることです。自宅前の掃除をしていると、御近所の方が通り掛かります。すると挨拶から始まって、諸々の話が弾みます。また、幼稚園バスへ子供を乗せた後のおたのしみはお母さん達の立ち話です。こうした光景はあくまでもお天気が良い時です。
この道ばたの長話はイギリスでは全くないそうです。話がしたいときは誰かの家でティータイムを楽しみながらおしゃべりの花を咲かせるそうです。また「ティー」という言葉は紅茶の事を指すだけでなく夕食を意味することもあり、子供達も親しくなるバロメーターは「ティー」に来てねと誘われることだそうです。ともかく「向こう三軒両隣」的な絆は長雨ではなかなか作りにくいですね(笑)。
こうしたおしゃべりで一つだけ忠告するとしたら、おしゃべりの際には出来るだけ気持ちが中に入っている言葉で喋るようにしたいです。こんな言葉をプレゼントしておきましょう。
「言葉が服なら気持ちは体」

2015-07-07 22:20:27 | Weblog
今日は七夕です。名古屋は曇り空、彦星達も地上からの目を気にすることなく逢瀬を楽しむことが出来るでしょう。
さて七が二つ重なる今日ですが、七という数字は西洋でも東洋でも大切な数字としてきました。西洋では旧訳聖書の中に神様が6日間で天地を創り7日目を安息日として聖なる日としました。また、東洋では農作業の時期を計る為に天文学が発達した際には北斗七星を季節を知る物指しとしたのです。また、お月さまも7日毎に様相を変えて行きます。細い三日月が7日たつと半月形の上弦の月、また7日たつと満月、そして更に7日たつと下弦の月、それから7日で真っ暗な新月となるのです。新しいところでは「ラッキーセブン」という言葉が大切にされて来ています。
数字を何かにつけて選ぶ際には、かつては長島選手や王選手の背番号にちなんで3や1が多かったのですが、最近はどうでしょうか。しかし、この7だけは昔も今も変わらずに選ぶ人が多いでしょう。
その7月、やはり1年の後半、最初の月。大切に過ごしたいですね。

グッドルーザー

2015-07-06 19:49:40 | Weblog
残念でした。サッカー女子のワールドカップでの決勝戦、5‐2で破れ準優勝でした。負けた後の、選手たちの様子やコメントで涙した人も多かったでしょう。しかし、それは負けに対してではなく「グッドルーザー」としての姿におそらく涙したのだと思います。
グッドルーザーとはスポーツマン精神の根底にあるもので「潔い敗者」とでも訳したら良いでしょう。つまり自分の負けに対して恨みがましいことを一切言わずに相手の勝利を心からおめでとうと言うことが出来る精神を言います。すべての選手がそんな姿勢で接していました。この姿に我々は涙するのです。改めて「良くやった。立派な銀メダル」と拍手を贈りたいです。そして休む間もなく来年のリオ五輪に向けてのスタートです。
それにしてもアメリカのイレブンは強かったです。それでも世界ランキング2位ですから、やはり世界は広いということを実感します。そのアメリカから2点も奪ったのですから、たいしたものです。勝者のアメリカからもそんな声が聞こえてきそうです。

回転寿司

2015-07-05 19:34:29 | Weblog
今日は7月5日。「穴子の日」だそうです。7(な)5(ご)からの語呂合わせです。日曜日ですから、家族揃って回転寿司という家庭もあると思いますが、記念日にちなんで穴子を注文して下さい(笑)。
ところで回転寿司は圧倒的に右回りが多いのですが、これには理由があるのを知っていましたか?機械的には右回りも左回りも出来ているそうです。それは日本人の身体の仕組みが影響しています。というのも日本人は利き手と利き目が右の人が多いのです。右目が利き目だと右回りの方が寿司の皿が取りやすいから回転寿司のコンベアが右回りが多くなっているわけです。きめ細かい工夫がなされているのです。昨年「お・も・て・な・し」が流行りましたが、こうした工夫もおもてなしの一つでしょう。
寿司話にもう一つ付け足すと、握り寿司を食する時のマナーですが、それは「握って貰ったらすぐに食べる」ことです。寿司本来の味を楽しむにはそれが一番ですし、握ってくれた人にも失礼にならないからです。

昼ビール

2015-07-04 23:26:50 | Weblog
ヘェッと思ったのは、昼間からビールを楽しむ人が増えているという記事を読んだからです。友人と会話を楽しんだり、読書をしながらビールを飲む光景もあるそうです。おそらくサラリーマンではないでしょう。というのも私などはほんの少量のアルコールでも顔が赤くなってしまうからです。
赤くなるのをフラッシングというのですが、これはアセトアルデヒトの毒性を分解酵素が少ないので分解出来ないのだそうです。遺伝子によって分解酵素が少ないようです。そう言えば親父さんもほとんど飲めませんでした。ですから昼ビールを楽しむ人は、顔が赤くならないんでしょう。そんな先輩が居ましたねぇ。昼間の会合でビールが出て、私は躊躇するのに先輩は平気で楽しんで、会社に戻っても誰にもわからないように顔色も変わりませんでした。分解酵素が強いのです。もちろん酒席での振舞いも堂々としていて羨ましかったです。酒が飲めたらなあと何度も思ったものです。
あくまで酒は百薬の長の範囲内の話です。

日本人力士

2015-07-03 22:48:34 | Weblog
今日7月3日は、力士の稀勢の里の29才の誕生日です。日本の相撲ファンが毎場所日本人力士の優勝を願う一番手にあげているのが稀勢の里です。18才7ヶ月というのは稀勢の里が新入幕を果たした歳です。貴乃花に次ぐ新入幕のスピード出世を果たしてからが長いですね。いつの間にか29才ですからね。彼の土俵上の態度を見ていると顔つきを含めて現理事長の横綱北の湖と良く似ています。ですから成績も似て欲しいものです。
先日のサッカーなでしこジャパンの勝利を見て、どこの職場でも明るい話題を振り撒いていましたから、日本という括りは大いなる喜びの材料です。この名古屋場所で是非、日本人優勝を実現して欲しいです。かつては平幕優勝があった名古屋場所、大関優勝など当たり前と思って臨んで欲しいのです。千秋楽、北の湖理事長から賜杯を受けとる、それを誓う誕生日にしましょう。
余談ですが、三賞は、知人の新入幕力士の「英乃海」が受賞してくれると万々歳ですがね。

眺める

2015-07-02 20:27:29 | Weblog
梅雨の長雨と言いますが、眺めるという言葉の語源は長雨だそうです。長雨が続くと仕事が出来ず、ボンヤリと外を見ています。そこから眺めるになったんですね。
さて今の国会では安保法制の審議のために大幅な会期の延長がなされました。安保法制の他にも重要な法案が目白押しです。その一つが議員定数の是正法案がどうなるか私は興味を持って眺めています。党利が交錯するだけにどんな決着になるのか興味深々です。「玉虫色の決着」と良く言われますね。玉虫色は曖昧なことをネガティブに表現する言葉です。玉虫の羽は光線の加減によって色々な色に変わって見えます。ですから解釈によってどちらともとれるわけです。改革案がこの玉虫色にならないか心配なんです。安保法制の審議の蔭で玉虫色法案がすうっと通らないようにしっかりと国会関係のニュースを意識しなければなりません。
我々は往々にして模様眺めが多くなってしまいます。身を切る改革が出来るかどうか、ちゃんと眺めましょう。