裁判員制度

いよいよ明日から新しい法律が施行されます。その法律の名は「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」です。つまり裁判員制度が始まるのです。具体的には、国民から事件ごとに選ばれた裁判員が裁判官とともに審理に参加するもので、7月下旬以降に実際に裁判が始まります。
しかしこの制度は国民の側から声があがった制度ではないせいか、かなりの批判も聞かれます。先日も名古屋市内で反対のデモ行進も行われていました。反対理由は精神的な苦痛が伴う義務化に対してで、拘束期間などで仕事や育児に於ける負担が重すぎるというものです。また自分は人を裁く程の人格者ではないという意見もありますし、死刑という選択肢にどう向き合ったらいいかという恐れもあります。今のこの状況も思考錯誤の一つといってしまえばそれまでですが、60人に1人は将来的に必ず選ばれるとなれば、やはりしっかりとこの制度に向きあわなければなりません。
それにしてもこの法律が国会を通過したときにどうしてもっと国民から疑問の声が上がらなかったのでしょうか。
最後にかつてある裁判官が言ったこの言葉を記しておきましょう。『人が人を裁くのは容易なことではない。従って人を裁かねばならない裁判官は、すべての人から裁かれているのだということをよく認識しなければならない』